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ベトナムニュース【健康】ハノイ市の医療スタッフが18か月で700人以上退職

(C) VNEXPRESS

過去18か月間にハノイで900人近くの市の医療スタッフが退職または転勤したことで、首都ハノイ市の医療部門は人材が不足し、医療体制にも影響が出ている。

これは、6月20日に開かれた第3回ハノイ市人民評議会においてハノイ市人民委員会の報告書が明らかにした内容だ。それによると、2021年には市の医療分野で働くスタッフのうち532人が退職を申請し、82人が転勤を申し出た。2022年も4月までに同様の申請がそれぞれ226人と17人出ている。

上記の状況を説明した上でハノイ市の幹部は、2020年初頭からこれまで、市の保健医療分野は、全てのリソースをCOVID-19感染防止対策に充ててきたと述べた。医療分野が人材不足となったために、多くの医療スタッフが複数の仕事を兼務し、昼夜を問わず残業せざるを得なくなっている。しかし、ハノイ市の医療スタッフの収入は一般企業、民間病院、各省庁の医療機関に比べて低く、多くの医療スタッフがより良い条件を求めて退職している。

ドンダー区の医療ステーションの責任者を務めていたホアさんも膨大な仕事量にもかかわらず、収入が生活するにも十分ではなかったので3月末に退職届を出した。

かつてハノイのCOVID-19流行の最前線にある医療ステーションの責任者であったホアさんと同僚は疫学調査、濃厚接触者の追跡、ワクチン接種などの業務をこなしながら、毎日数百件の電話に対応していた。夜になるとスタッフが交代でF0のデータを入力してレポートを作成する必要があり、常に強いプレッシャーを受け続けたが、基本給以外に与えられたのは役職手当の50万VNDだけだった。夫婦二人とも同じ職場だったホアさんの同僚は、2人合わせた月収が約800万VNDしかなく、日々の生活にも事欠いていた。

医師や看護師などの医療スタッフが大量に退職する状況に直面して、ハノイ市人民委員会は、パンデミックが再発したり、危険で感染力の強い新たな変異株が出現した場合、”予測不能な大惨事”が発生する可能性があるとしている。すぐに医療スタッフに対する適切なサポートを実施しなければ、感染防止対策に必要な人材を確保することは不可能だ。

実際に3月にハノイでCOVID-19の感染がピークに達した際、多くのF0患者は、市の医療スタッフと連絡が取れなかったために自宅療養せざるを得なかった。その中で、医療スタッフは”膨大な仕事量の中で、強いプレッシャーに曝されながら”仕事をこなす必要があった。特にドンダー区やホアンマイ区などの一部地域では、3万人の住民に対して、医療スタッフが5~10人しかおらず、多くのスタッフがCOVID-19に感染しているにもかかわらず仕事をせざるを得ず、治療行為と患者のケアにも大きな影響が出た。

現在、ハノイ保健局はハノイ市人民委員会に対してハノイ市の医師、看護師及び医療スタッフの補助制度についての規定を新たに発行するよう提案している。保健局の分析では、この提案は市の医療スタッフを長期的に確保するための基本的な施策であり、医療スタッフにやりがいを感じてもらい支援することで、地域の医療対応能力を向上させることに繋がるとしている。この提案は、7月上旬に開かれるハノイ市人民評議会の定例会議に提出される見込みだ。

医療スタッフが大量に退職する状況はホーチミン市も同様で、今年の第1四半期だけでも400人が退職した。この数は、コロナ前の年間の退職者数に匹敵する。2021年にホーチミン市の医療部門は1154人が退職し、労働力不足の危機に陥った。このような状況を改善するために、4月7日にホーチミン市は、医療施設の能力向上に向けた特別措置に関する議決を承認し、2025年まで毎年1380億VNDの予算を医療人材確保に充てるとしている。

出典:27/06/2022 VNEXPRESS
上記を参考に記事を翻訳・編集・制作