ホーチミン市の都市鉄道(メトロ)1号線で、2026年10月17日朝、送電設備の突発的な障害による停電が発生し、全線の運行が一時停止した。運行は約53分後に再開されたが、停止時に運行中だった14編成の列車に影響が出た。今回の障害は、メトロの設備そのものではなく、電力供給側のインフラで発生したものである。
220kVトゥードゥック変電所で停電が発生
ホーチミン市電力総公社(EVNHCMC)によると、同日午前7時4分、国家送電システムで突発的な障害が発生し、送電会社4(PTC4)が管理する220kVトゥードゥック変電所が全面停電した。
同変電所はホーチミン市の一部地域への電力供給を担っており、障害によってトゥードゥック地域の広範囲で電力供給が中断された。影響は住民や企業だけでなく、ベンタイン~スオイティエン間を結ぶメトロ1号線にも及んだ。
約53分後に全線の運行を再開
障害発生後、EVNHCMCは南部電力系統給電センターと連携し、遠隔制御システムを利用して復旧作業を進めた。その結果、トゥードゥック地域の住民や企業への電力供給に加え、メトロ1号線への電力供給も復旧した。
電力網の復旧を受け、ホーチミン市都市鉄道運営会社(HURC1)は南部電力系統給電センターと協力し、設備への電力供給を順次再開した。メトロ1号線は午前7時57分に全線で運行を再開し、運休時間は53分となった。
今回の障害により、発生時に運行中だった14編成の列車の運行に影響が生じた。
電力インフラの障害によるメトロ運休は海外でも発生
送電網の停電が都市鉄道の運行に波及する事例は、海外でも発生している。
2019年8月には英国で国家送電網の停電が発生し、ロンドンの地下鉄や鉄道への電力供給が中断された。ラッシュアワーの時間帯に列車の運行が乱れ、数万人の乗客に影響が及んだ。
同年7月には、米ニューヨーク市マンハッタン地区で大規模停電が発生し、地下鉄6路線が運行を全面停止した。駅の信号システムや電源も影響を受け、復旧までに数時間を要した。
また、シンガポールでは2020年10月、南北線と東西線に電力を供給する変電所でヒューズの故障が発生し、電力供給が長時間中断された。この障害により、11万5,000人以上の乗客の移動に影響が出た。
今回のホーチミン市の事例も、鉄道設備自体の故障ではなく、外部の電力インフラの障害が運行に波及したケースである。都市鉄道の安定運行には、車両や信号設備の整備だけでなく、電力供給網の信頼性確保も重要となる。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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