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ベトナムエラー通信簿Vol.18
パスタを作るときの「麺のちょい足し」
満腹感を追い求めた結果が糖尿病

アイクラフトJPNベトナム 西田社長

 「腹八分目に医者いらず」、昔から言われている言葉ですが、ベトナムに住んでから正反対の食生活をしていました。単身生活では満腹が僅かながら幸せを感じる瞬間で、日本ではあまりしなかった自炊も増えました。せっかく作るので満足感が得られるように、量を多めに調理する癖がついていました。

 自炊の料理で頻度が多かったのが、冷蔵庫に残っている材料を使えば簡単に調理ができる、色々な種類のパスタでした。乾麺なので保存がしやすく、タマネギ、キノコ、ウィンナー、ベーコン、納豆などがあれば簡単に作れます。

 一番の問題は茹でる麺の量です。茹で始めるとちょっと少ないかと思い追加していました。量が少ないと満足感が得られないからですが、茹で上げてみると多すぎると感じていました。辛い物好きな私はタバスコをたくさんかけて、残さずに全部食べるのが習慣になっていました。次は少なくしようと思うのですが、空腹感が心配で同じことを繰り返していました。

 そんな生活が数年続きました。あるときに何の心配もせず健康診断を受けたところ、糖尿病と診断されてしまいました。家族に糖尿病患者はいなかったこともあり、私には青天の霹靂でした。

 調べてみると、空腹のときには長寿遺伝子とも呼ばれるサーチュイン遺伝子を活性化させる酵素が発生するとのこと。空腹の時間が長いことが健康の秘訣で、お腹一杯食べすぎるとその遺伝子の動きも鈍くなるようです。糖尿病と診断されて初めて、「腹八分目」の意味を実感した出来事でした。

西田俊哉 Toshiya Nishida
アイクラフトJPNベトナム社長。生命保険会社に23年勤務の後、2005年に仲間とベンチャーキャピタル・IPO支援事業の会社を創業し、2007年に初来越。現在は会社設立、市場調査、不動産仲介、会計・税務支援などを展開。