ベトナム進出の立ち上げ期、「FacebookもTikTokもわからない」と、ベトナム人幹部にアカウント開設を任せた社長さんがいました。2年後、その幹部は退職して連絡もつかず、ページを更新できなくなりました。やむなく作り直したものの、古いページはネット上に残り、同じアカウント名は使えず、新ページは偽物のように見られてしまいました。
問題の根っこは、アカウントの「持ち主」を決めず、スタッフに丸投げしたことです。SNSのパスワードを社内外で使い回すのも要注意。近年はAIによる不正アカウントの増加で、SNS各社が認証やセキュリティを強化しています。日本とベトナムなど複数拠点から別々の端末でログインしていた会社では、Instagramが利用停止された例もあります(その後、対策を施し復旧)。
海外と日本の往来が多い社長さんは、特に注意が必要です。TikTokでパスワードを共有し複数人がログインしていた店では、シャドウバン(投稿が表示されにくくなる状態)によって実売上にも影響が出ました。
重要なのは、アカウントの「持ち主」と「作業する人」を分けること。代表者名義で本体を作り、二段階認証も代表者の電話番号に設定します。スタッフや代理店にはパスワードを渡さず、招待によって必要な権限だけを付与し、管理者も2名以上にしてロックアウトを防ぎます。
代理店が自社名義で作る場合もありますが、持ち主はクライアント側とし、代理店は招待される形が望ましいでしょう。開設時は軽視されがちなアカウント設計ですが、この守りの対策が、2年後、3年後の店舗ビジネスを支えます。
著者紹介:



























髙林 凌 Ryo Takabayashi
Vietnam Web Consulting代表。楽天ECコンサルを経験後、2019年ホーチミン市へ渡越。週刊ベッターWeb事業立ち上げを経て、ベトナムでVWCを起業。デジタルマーケティング戦略パートナーとして累計50社を支援中。