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ベトナム、運転免許試験の合格率が急低下 「丸暗記・コツ学習」排除へ実技重視に転換

合格率が大幅に低下したベトナムの運転免許証路上試験
(C)THANH NIEN

ベトナム、運転免許試験の合格率が急低下

場内・路上試験の難化進む

ベトナムで運転免許試験の合格率が大幅に低下している。特に場内試験や路上試験で不合格者が急増しており、公安省交通警察局は「試験のコツだけで合格する時代を終わらせる」として、実践的な運転能力重視への転換を進めている。

現在、試験会場では、かつてのように「どこでハンドルを切るか」「どの位置で停止するか」といった“攻略法”を確認し合う光景は減少している。

その代わりに、

  • 標識確認の方法
  • 緊張への対処
  • 路上での状況判断

など、実際の運転に近い内容について話し合う受験者が増えているという。

合格率が大幅低下

路上試験は約90%→69%へ

交通警察局によると、2025年3月1日から2026年5月2日までの間に、全国で約580万人に運転免許証が交付された。

内訳は、

  • 自動車免許:約260万件
  • バイク免許:約320万件

となっている。

一方、試験厳格化の影響で合格率は急低下している。

特に自動車の路上試験では、制度移管直後には約90%だった合格率が、現在は約69%まで低下。約21ポイント下も落した。

また、

  • 場内試験
  • シミュレーション試験
  • 学科試験

についても、12〜17%程度合格率が下がっている。

「コツ丸暗記」の時代終わる

実際の運転能力を重視

交通警察局によれば、以前は一部地域で合格率が極端に高く、「試験用テクニック」や丸暗記だけで合格できる状況があったという。

しかし実際には、免許取得後も、

  • 周囲確認が不十分
  • 危険への反応が遅い
  • 交通法規への理解不足

といった運転者が少なくなかった。

運輸業界からも、

  • 実践的な危険回避能力不足
  • 交通法規知識の不足
  • 運転マナーの問題

などが指摘されていた。

このため、公安省傘下となった交通警察局は、試験・教育制度の厳格化を進めている。

路上試験を大幅強化

交差点・ラウンドアバウトも追加

特に大きく変わったのが路上試験である。

以前は比較的単純なコースが多かったが、現在は、

  • 交差点
  • ロータリー
  • 市街地
  • 信号・標識の多い区間

などを含むコース設定が求められている。

試験では、

  • 対向車回避
  • 歩行者優先
  • 緊急車両への対応
  • ミラー確認
  • 標識確認

なども厳しくチェックされる。

受験者は「教習生」ではなく、「これから実際に公道を走るドライバー」として評価される方向へ変わりつつある。

不正防止も強化

金属探知機やランダム抽選導入

試験運営も透明化が進んでいる。

現在は、

  • 学科試験の座席
  • シミュレーション端末
  • 試験車両

などをランダム抽選で決定。

さらに、

  • 金属探知機
  • 無線機器検知装置

なども導入され、不正行為防止を強化している。

最大の敵は「緊張」

受験者からは前向きな声も

ホーチミン市内の試験会場では、試験直前に何度も操作確認を行う受験者の姿が見られる。

一方で、「難しくなった方が安全につながる」と歓迎する声もある。

ホーチミン市在住のルーン・バン・チューンさん(32)は、「試験が難しいほど、しっかり準備する必要がある。厳しい試験を突破した方が、実際に道路へ出た時も安全だ」と話している。

今後はさらに実践重視へ

「ドライバー生涯管理」も構築へ

交通警察局は、試験厳格化の目的について、

「合格率を下げることではなく、運転者の質を高めること」

だとしている。

今後は、

  • “ひっかけ問題”削減
  • 実践型問題増加
  • 路上試験時間延長
  • 実交通環境での試験強化

などを進める方針だ。

また、

  • 違反歴
  • 事故歴
  • 健康情報

などを一元管理する「ドライバー生涯データベース」構築も目指している。

交通警察局は、「試験に落ちても数か月学び直せば済む。しかし技能不足のドライバーは、多くの人に深刻な被害を与えかねない」としている。

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