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ベトナムとEU、貿易・投資協力を強化 インフラやグリーン転換で連携拡大へ

ベトナムのトー・ラム書記長兼国家主席と欧州理事会のアントニオ・コスタ議長

ベトナムと欧州連合(EU)は、貿易・投資に加え、グリーン・トランスフォーメーション、戦略的インフラ、海洋経済など幅広い分野で協力を強化する方針である。10月23日、EUを公式訪問中のベトナムのトー・ラム書記長兼国家主席は、欧州理事会のアントニオ・コスタ議長と会談した。双方は、2026年1月に包括的な戦略的パートナーシップへ格上げされた二者関係をさらに深化させ、具体的な協力成果につなげることで一致した。

コスタ議長は、ベトナムをインド太平洋地域におけるEUの重要なパートナーと位置付けた。トー・ラム国家主席も、EUをベトナムにとって最優先級のパートナーの一つとし、両者の政治的信頼を基盤に、双方の発展と国民生活の向上に寄与する実践的な協力を進めたいとの考えを示した。

貿易・投資からグリーン転換まで協力分野を拡大

ベトナムとEUは、外交関係樹立から36年以上を経て、協力関係を着実に発展させてきた。2026年1月の包括的な戦略的パートナーシップへの格上げを契機に、今後は新たな分野での連携を拡大し、協力の実効性を高める方針である。

双方は、地域・国際情勢が複雑化するなか、首脳級を含む各レベルでの対話や交流を強化し、政治的信頼と相互理解を深める必要性を確認した。

重点分野として挙げられたのは、グリーン・トランスフォーメーション、イノベーション、戦略的インフラ、循環型経済などである。ベトナムとEU双方の発展優先課題に沿って協力を拡大し、従来の枠組みを超える具体的な成果を目指す。

また、海洋経済の発展、海洋環境の保護、海上安全保障についても共通の認識を確認した。双方は、海洋経済を二者関係における次の主要な協力の柱とすることを視野に、連携を検討・推進することで一致した。

EVFTAの活用促進と投資保護協定の早期承認を要請

トー・ラム書記長兼国家主席は、経済・貿易・投資面での結び付きを一段と強化し、ベトナム・EU自由貿易協定(EVFTA)がもたらす潜在力と利点を最大限に活用するよう呼びかけた。

さらに、EUがベトナムの取り組みを評価し、非協力的な税務管轄地域のリストに関する付属書Iからベトナムを除外したことに謝意を示した。

一方、長年の懸案事項についても、双方が緊密に連携し、早期解決を図る必要性を指摘した。具体的には、ベトナム産水産物に対する違法・無報告・無規制(IUU)漁業を理由とするイエローカードの解除と、ベトナム・EU投資保護協定(EVIPA)の早期承認が挙げられた。

EVFTAによる市場アクセスの拡大に加え、投資保護の枠組みが整備されれば、企業の貿易・投資活動を支える環境の改善につながることが期待される。ただし、今回の会談で確認されたのは協力促進の方針であり、各課題の解決時期が確定したわけではない。

EUの「グローバル・ゲートウェイ」でインフラ投資を促進

コスタ議長は、EUの政策やイニシアチブを活用し、ベトナムとの実質的な協力を深める意向を示した。特に、EUの対外投資戦略「グローバル・ゲートウェイ」を通じて、質の高い投資、持続可能な交通・物流インフラ、エネルギー転換などを推進する考えである。

また、安全保障分野では、海上安全・保安、サイバーセキュリティー、危機管理などにおける協力や経験の共有、人材・組織の能力向上を進める方針を示した。

このほか、気候変動をはじめとする非伝統的安全保障上の課題や、人工知能(AI)など新たな技術に伴う課題への対応についても、双方のニーズと共通利益に沿って連携を進めることで一致した。

ASEAN・EU関係の強化とインド太平洋の安定を重視

会談では、地域・国際情勢についても幅広く意見交換が行われた。双方は、多国間主義、国連憲章、国際法を支持し、多国間の場での協議や連携を強化することで一致した。また、ASEAN・EU関係を一層発展させ、インド太平洋地域の平和、安定、協力、発展に貢献する方針を確認した。

コスタ議長は、EUがASEANとの関係強化を重視しており、ベトナムを主要なパートナーと位置付けていると述べた。ASEANとEUは、関係樹立50周年を迎える2027年に向け、包括的な戦略的パートナーシップへの格上げを目指している。

海洋問題についても、EUはASEANの中心性を支持し、紛争の平和的解決を重視する姿勢を示した。双方は、1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)をはじめとする国際法に基づき、海域や海洋における平和、安定、安全、航行・上空飛行の自由を確保する重要性を確認した。

ベトナムとEUの関係強化は、従来の貿易・投資にとどまらず、インフラ、エネルギー、先端技術、海洋経済などへと広がりつつある。今後は、今回確認された協力方針が、投資案件や制度面の進展など具体的な成果に結び付くかが焦点となる。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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