ベトナムとマレーシアは、防衛・安全保障分野を中心に二国間協力をさらに強化する方針である。ベトナムのレ・ミン・フン首相は8月5日、ベトナムを公式訪問しているマレーシアのモハメド・ハレド・ノルディン国防相と会談し、防衛産業や海洋安全保障、災害救援など幅広い分野での協力強化を呼びかけた。
両国は2024年11月、包括的な戦略的パートナーシップへ関係を格上げしており、今回の会談は新たな枠組みの下で実務的な協力を進める動きの一つとなる。
2024年の関係格上げを新たな出発点に
レ・ミン・フン首相は、ベトナムがマレーシアとの包括的な戦略的パートナーシップを安定的かつ持続的、長期的に発展させることを重視していると表明した。
両国関係は、2024年11月にトー・ラム書記長がマレーシアを公式訪問した際、包括的な戦略的パートナーシップへ格上げされた。ベトナム政府はこれを両国関係における歴史的な節目と位置付け、新たな協力段階への移行につながるものとしている。
また、ベトナム側は、2025年にASEAN議長国を務めたマレーシアの積極的な役割を評価。ASEAN域内の結束強化や国際社会におけるASEANの地位向上への貢献を高く評価し、今後も両国がASEAN共同体の目標実現に向けて協力することを期待している。
防衛産業やPKOなど協力分野を拡大
防衛分野では、これまでの協力成果を踏まえ、両国国防省間の連携をさらに強化する。
ベトナム側は、今後の具体的な協力分野として、両国の軍・兵種間の交流、防衛産業、軍医療、災害救援・救難活動、国連平和維持活動(PKO)などを挙げている。
さらに、防衛・安全保障分野の交流だけでなく、海上の安全確保に関する協力も強化する考えである。
両国は今後、各レベルでの代表団交流を増やすほか、対話や協議、情報交換の仕組みを効果的に維持する方針である。
海上での漁船・漁民への対応でも連携
海洋分野では、両国の海上法執行機関による情報交換を強化する。
特に、海上で事故や遭難に遭った相手国の漁船や漁民に対して迅速に支援するとともに、相手国の海域で違反した漁船や漁民についても、人道的に対応するよう求めた。
こうした協力は、南シナ海を含む海域で漁業活動が行われる両国にとって、海上の安全確保や偶発的な問題の抑制という面でも重要となる。
ベトナム国際防衛展示会への参加を歓迎
ベトナム政府は、2026年に開催される第3回ベトナム国際防衛展示会へのマレーシア国防省およびマレーシア軍の参加を歓迎する姿勢を示した。
また、マレーシアの防衛関連企業に対しても、同展示会への出展を促している。
防衛展示会への参加を通じて、防衛装備や関連技術をめぐる両国企業間の交流が進む可能性もある。
ASEANを軸に戦略的関係を深化
今回の会談で示された協力分野は、防衛分野だけに限定されていない。両国はASEANの枠組みも活用しながら、二国間関係を長期的に発展させる方向で一致している。
2024年に包括的な戦略的パートナーシップへ格上げされたベトナムとマレーシアは、経済関係に加えて防衛、海洋安全保障、人的交流などへ協力領域を広げつつある。
今後は、防衛産業や海洋安全保障を含む具体的な協力案件をどこまで積み上げられるかが、両国の新たな戦略的関係を実質化するポイントとなりそうである。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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