ベトナム南部アンザン省の漁師が漁船から海に転落し、4日間にわたって海上を漂流した末、海軍艦艇に救助された。救助された男性は「もう一晩、海軍の兵士に会えなければ死んでいた」と振り返った。
男性は8月18日、海軍第129艦隊からバリア・ブンタウ港湾国境警備隊と家族に引き渡された。
漁船から転落、浮き輪につかまり4日間漂流
救助されたのは、アンザン省タイイエン村に住むチューン・バン・チュンさん(46歳)である。
チュンさんによると、8月12日の夜、漁船に乗っていた際に足を滑らせて海に転落した。
海に落ちた後、チュンさんは海上を4日間漂流した。その間、偶然見つけた浮き輪につかまり、海上で生き延びた。
8月16日夜、海軍第129艦隊の743号艦がチュンさんを発見し、救助した。
「もう一晩なら死んでいた」
救助された時、チュンさんはすでに体力を大きく消耗していた。
本人は当時の状況について、
「もう一晩、海軍の兵士に会えなければ、私は死んでいた」
と語った。
海上での飢えや渇きに耐えることができた大きな理由は、家で待つ2人の子どもだったという。
チュンさんには14歳と8歳の子どもがおり、妻は家を離れている。海上を漂流しながら、子どもたちを育てるためにも何としても生きて帰らなければならないと自分に言い聞かせていた。
「家に帰ることができ、とても嬉しく、感動している。救助してくれた海軍の兵士たちに心から感謝している」とチュンさんは話した。
海軍艦艇が沖合約80海里で発見
第129海軍艦隊743号艦のホアン・クオック・トゥアン少佐によると、8月16日午後6時ごろ、艦艇が海上任務にあたっていた際、沖合約80海里の海域で漂流している人物を発見した。
当時は夕方で、海上では雷雨が発生し、風力4~5程度の風も吹いていたため、救助活動は難しい状況だった。
艦艇は直ちに救助活動を開始するとともに、海上の施設と連絡を取り、ハイズン09号船も救助活動に加わった。
捜索を続けた結果、743号艦がチュンさんを発見し、安全に救助した。
救助時は衰弱、転落した漁船も思い出せず
救助されたチュンさんは、体力が低下して疲労が激しく、精神的にも不安定な状態だった。また、自分が転落する前に乗っていた漁船についても、当初は思い出せなかったという。
腹部には、海上で波に打ち付けられたことによる擦り傷も確認された。
4日間にわたって海上を漂流したことで、極度に衰弱していたとみられる。
家族は数日間連絡取れず
チュンさんの姪であるチューン・ゴック・チンさんによると、チュンさんは貝類を採る漁を生業としている。
通常は2日程度の漁に出ることが多いが、漁によっては2~3カ月間、家に戻らないこともあるという。
チュンさんが海に転落したことを知った家族は、数日間にわたって連絡を試みた。しかし、携帯電話は呼び出し音が鳴るものの、本人が電話に出ることはなかった。
8月16日、インターネット上でチュンさんが救助されたとの情報を知り、家族は無事を喜び、一刻も早く陸に戻ってくることを願ったという。
2人の子どもを支える漁師
チュンさんの家庭は経済的に厳しい状況にある。
14歳と8歳の子どもがおり、妻は家を離れている。さらに、上の子どもには先天性の心疾患があるという。
家族の生活は、チュンさんが漁船に乗って得る収入に大きく依存していた。
4日間の漂流を生き抜いたチュンさんが、海上で何よりも強く思い続けていたのは、家で待つ子どもたちだった。
今回の救助は、海上での事故に対する迅速な捜索・救難活動の重要性を改めて示すとともに、厳しい環境の中で漁業に従事する漁民の安全確保という課題も浮き彫りにしている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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