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リーダーたちの構想第54回
在ベトナム日本大使館

日越の政府や民間を連携させ、在越日本人の頼もしい味方である在ベトナム日本国大使館。今年は日越外交関係樹立50周年という歴史的な1年だ。駐ベトナム日本国特命全権大使の山田滝雄氏がその思いを語る。

共感・共鳴が発展の原動力

―― 在ベトナム日本国大使館の主な業務内容を教えてください。

山田 ベトナムの首都ハノイにある在ベトナム日本国大使館は、日本を代表し、ベトナム政府との交渉や連絡を行うことに加え、日々ベトナムの政治・経済その他の情報を収集・分析し、外務本省に報告しています。こうした情報を元に、外務本省で対越外交を含む外交政策が策定されています。

 ベトナムの方々に日本を正しく理解してもらうための広報文化活動も重要な大使館の業務です。日本の外交政策や一般事情を積極的に海外に向けて発信するほか、日本の伝統文化やポップカルチャーをはじめとする日本の魅力の紹介、日本語の普及にも努めています。

 また何よりも、現地の日本人の方々の保護が最優先の仕事です。大きな災害や事故が発生した際、皆様の安否を確認し、被害に遭った方を助けるため全力を尽くすことは当然ですが、そのためにも、日頃から連絡先を確認し、緊急事態の際の心得についてもお知らせしています。

 近年では日越両国が新型コロナ感染症の流行を乗り越えていく中で、要人往来を積極的に推進しています。一昨年11月のチン首相訪日、昨年5月の岸田総理訪越、9月のフック国家主席訪日など、ハイレベルの要人往来によって、日越関係の発展を加速させる原動力が絶えず生み出されてきました。

 その結果、ODA、DX、GX(グリーン・トランスフォーメーション)、サプライチェーン多元化、人材育成などを通じた経済協力、サイバーセキュリティおよび海上保安能力向上などの安保協力を含め幅広い分野で実務協力が進んでいます。

 2023年は日越外交関係樹立50周年という歴史的な節目です。具体的な協力案件をここハノイでしっかりとフォローしていくとともに、両国政府と密にコミュニケーションを取りながら、各種要人の往来を成功に導くための準備を進めてまいります。

駐ベトナム日本国特命全権大使
山田滝雄氏

―― 日越間の関係をどう感じていますか?

山田 新型コロナ感染症の影響により、世界的に人の往来が難しい時期が長く続き、日越間もその例外ではありませんでした。

 しかし、そのような厳しい状況にあっても、ハイレベルの往来は途切れることなく継続されています。2020年10月、菅総理(当時)が就任後初めての外国訪問先として、ベトナムを訪問されました。また、2021年11月にはチン首相が、岸田政権発足後の初めての外国賓客として訪日されました。さらに、2022年5月には岸田総理が訪越され、越指導部「トップ4」全員と会談を行い、日越両国が史上最良の関係にあり、互いに大きな戦略的価値を有することを内外に強く示されました。

 駐ベトナム大使として、そのような両首脳の直接の交流の機会を有意義なものとすべく尽力し、立ち会えたことは非常に感慨深いことです。

―― ベトナムやベトナム人への印象を聞かせてください。

山田 ベトナムに着任してから2年9ヶ月、公私にわたり、たくさんのベトナムの方々と出会い、また、北から南まで多くの場所を訪問しました。フォーや春巻きといったベトナム料理、各地に残る伝統文化や美しい自然など、ベトナムは非常に魅力的な国です。また、ベトナムの皆さんはいつも明るく大らかで、私にエネルギーを与えてくれます。

 ベトナムは、私たち日本と文化や価値観を共有する重要なパートナーです。私は、日越関係の発展のベースとなっている大切な要素は、首脳レベルから草の根レベルに至るまで、両国民の間に醸成される「共感」や「共鳴」ではないかと考えています。これまでイギリス、インド、インドネシア、フランスに赴任しましたが、そこでは感じたことのない特別な感情です。

 そして、この共感や共鳴こそが、「無限の可能性を秘める」と言われる日越関係をさらに発展させる原動力であると確信しています。

様々な50周年記念イベント

―― 今年は日越外交関係樹立50周年です。

 日本企業のベトナムへの投資がさらに活発なものとなるよう、日本政府としてしっかり後押ししてきたいと考えております。また、ベトナムのさらなる経済発展に向け、ODAを2017年以前の水準まで再活発化させ、特にベトナムの投資環境の整備に資するようなインフラ整備を支援していきたいと考えております。

 さらに、2050年までのカーボンニュートラル達成を目標に掲げるベトナムのGXやDX、近代化・工業化、人材育成といった分野においても、両国の協力関係をさらに強化すべく議論を深めていく考えです。

 2023年は年間を通じて各地で様々な50周年事業が実施されます。例えば、2月25~26日には、ホーチミン市で南部最大のお祭りであるジャパン・ベトナム・フェスティバルが開催されます。ハノイでは3月に、着物とアオザイのファッションショーや茶道行事などの文化交流事業が予定されております。

 さらに9月には、400年もの前の日本の長崎の商人、荒木宗太郎とベトナム・グエン朝の王女ゴック・ホア姫の恋物語をモチーフとしたオペラ「アニオー姫」が初演されます。

 ほかにも数多くの文化交流事業がベトナム各地で開催される予定です。

アニオー姫 実行委員会

―― 日越間の交流も活発になりそうです。

山田 日越の水際措置が緩和されましたので、50周年を機に両国の観光交流が拡大し、一気に新型コロナ前の水準に回復するだけでなく、さらに拡大することを願っています。

 この50周年を邦人コミュニティ全体で盛り上げていくため、各地の商工会議所にもご協力いただいて立ち上げた50周年日本側実行委員会では、色々な50周年事業を企画していきます。皆様に様々な情報をお届けするための記念特設サイト(https://japanvietnam50.org/)も開設いたしました。

 また、50周年記念ロゴマークは使用申請をいただき、使用方法が基準に合致していると判断される場合には、民間企業の製品にもご使用いただけます。ぜひロゴマークのご使用をご検討いただければ幸いです。

 「手と手を取って 未来へ世界へ」。このテーマで、皆様と共に、日越外交関係樹立50周年を創っていきましょう。

川崎フロンターレとの親善試合

―― 当地の日本人ビジネスマンにメッセージをお願いいたします。

山田 日越政府間の関係は非常に良好であり、様々な場面、特に経済面において、日本に対するベトナム政府の強い期待を感じます。経済界の皆様のご助力を得て、2023年は日本の存在感を示す年にしたいと思います。

 皆様の事業の新型コロナ禍からの完全回復をお祈りするとともに、製造業、インフラやエネルギーといった従来からの重要な分野に加え、DXやGXへの対応など、新たなビジネス展開も活発に行われることを期待しております。

在ベトナム日本大使館
山田滝雄 Takio Yamada
外務省に入省後、イギリス、インド、インドネシアで海外勤務。外務省本省では南部アジア部長、国際協力局長等を歴任。ASEAN代表部やUNESCO代表部の大使を経て、2020年4月に駐ベトナム大使に着任。