ベトナムの60歳以上の高齢者のうち5%にあたる50万人が認知症を患っており、年々若年化の兆しを見せている。
これは、10月11日に開催された高齢者の運動障害と認知症予防に関するセミナーでベトナムリハビリ協会のグエン・チョン・ルー副会長が述べた内容だ。認知症は、記憶障害を特徴とする脳の後天的な器質的障害により発生する認知障害の一種である。
「認知症の原因となる疾患は多数存在するが、最も一般的なのはアルツハイマー病で、患者の60~80%を占めています。」とルー副会長は説明する。
世界保健機関(WHO)の統計によると60歳以上の約7%が認知症とされており、認知症患者数は2030年には全世界で8200万人以上になるとされている。ベトナムでも認知症患者が50万人以上存在する。認知症は、記憶力、思考力、学習能力、言語能力、理解力、計算力、判断力などに影響を与える。
ルー副会緒によると、認知症の最大のリスク要因は年齢とされている。しかし、最近になって医師の間では、脳卒中などの脳疾患を患っている患者に若年性の認知症の症状が確認されるようになっている。また、運動不足、社会的コミュニケーションの低下、孤立、タバコやアルコール中毒、過度の仕事のストレスなどが認知症の原因となりえる。
「スマホに依存し運動不足で社会的コミュニケーションが苦手な若者は、認知症リスクが高いグループに属すると考えられます。」とルー副会長は話す。
鎮痛剤の濫用、麻薬の使用、アルコールの多量接種は、長期的に認知機能、記憶力の低下に繋がり、最終的には認知症を引き起こす。仕事のプレッシャーやストレスも、社会的なコミュニケーションを停滞させる原因になる。「健忘症は、若者や中年層にも現れる可能性があります。」とルー副会長は付け加えた。
ベトナムは、高齢化社会に突入しつつあり、65歳以上の人口が1200万人となり、平均寿命は75歳まで伸びている。専門家は、ベトナムが高齢化社会に突入すると認知症をはじめとした高齢者の疾患問題に直面することになると指摘している。
認知症になると自分の意志で行動したり生活することが難しくなる。さらに深刻な場合、合併症として衰弱や感染を引き起こし、死亡する可能性もある。医師は、認知症を通常の記憶の衰えと考えるのではなく、高齢者は早期発見と治療のために診察を受けるべきだと指摘する。
ルー副会長は、認知症予防として新聞を読んだり、コミュニティの活動に参加したり、定期的に運動し、精神を安定させ、刺激物を避けることを勧めている。
出典:11/10/2022 VNEXPRESS
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