2025年のベトナム小売市場は、ベトナム統計局のデータによると前年比8%成長でした。インフレ約3%を踏まえると実質成長は約5%程度と考えられます。当社では毎年小売店舗数のトレンドを追いかけておりますが、そこから見えてくるのは「市場成長」以上に「構造変化」です(下記店舗数は2026年3月時点)。
食品スーパー2強と外食チェーンの急拡大
最も変化が顕著なのは食品スーパーの2強。WinMart+は約4600店舗、Bach Hoa Xanhは約2700店舗と急速に店舗網を拡大し、ホーチミン市やハノイ以外の地方都市や郊外にも展開中です。
従来GTが主流の日用品や食品領域で、モダントレードへの置き換えが進みます。両社ともリストラなどを経て、5年前と比べて店舗数は倍増しています。
ファストフードも郊外展開が進んでいます。Lotteriaは約260店舗、KFCは約240店舗、Jollibeeは約220店舗まで拡大し、McDonald’sも50店舗弱まで増加しています。都市部に加えて地方での出店が成長を支えています。
ドラッグストアの勢力争いとカフェ市場のブランド選別
化粧品・ドラッグでも同様の変化が見られます。Hasakiは300店舗規模まで拡大し、Guardianも約120店舗規模で推移しています。一方でThe Face ShopやThe Body Shopは店舗数を減らしており、単一ブランド型からチェーン型へのシフトが進んでいます。
ドラッグストアも約4000店舗まで拡大。Long Chau約2400店舗、Pharmacity約1000店舗、An Khang約400店舗と複数プレイヤーが出店を加速中です。
一方で競争も激化しています。カフェ市場ではHighlands Coffee約900店舗、Phuc Long約250店舗、Starbucks約150店舗と大手は増加していますが、The Coffee Houseは80店舗台まで減少しています。市場成長の中でブランド選別が進んでいるのが現在の特徴です。
著者紹介:黒川 賢吾 Kengo Kurokawa
Asia Plus創業者兼代表取締役。NTT、ソニー、ユニクロを経てベトナムで起業。ベトナム最大級のオンラインリサーチパネルを利用して年間200以上の調査をこなすリサーチのプロ。
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