ベトナムの2026年1~8月の消費者物価指数(CPI)は前年同期比4.45%上昇した。コアインフレ率は4.24%となった。
一方、同期間の輸出入総額は7701.4億USDに達し、1~8月として過去最高を更新した。輸入の伸びが輸出を上回ったことで、ベトナムの貿易収支は204.6億USDの赤字となった。
ベトナム統計局(財務省)が9月3日に発表した。
8月のCPIは前年同月比4.89%上昇
2026年8月のCPIは前月比0.47%上昇し、前年同月比では4.89%上昇した。
前月比で物価が上昇した背景には、世界の燃料価格の動きを受けて国内のガソリン価格が上昇したことなどがある。
8月は、主要な商品・サービス11分類のうち10分類で価格が前月を上回った。
特に上昇幅が大きかったのは交通分野で4.09%。このほか、教育が0.47%、住宅・電気・水道・燃料・建設資材が0.10%上昇した。
一方、「食品・飲食サービス」は0.03%低下し、11分類の中で唯一、価格が下落した。
こうした結果、2026年1~8月のCPIは前年同期比4.45%上昇となった。
コアインフレ率は4.24%
価格変動の大きいガソリン、ガス、食品などを除いて算出するコアインフレ率は、8月に前月比0.11%、前年同月比4.55%上昇した。
1~8月の平均では前年同期比4.24%の上昇となり、CPI全体の4.45%を下回った。
これは、8月までの物価上昇において、ガソリンやガス、食品など価格変動の大きい品目が大きく影響しているためである。
輸出入総額は7701億USD、過去最高を更新
貿易では、2026年8月の輸出入総額が1097億USDとなった。
これにより、1~8月の輸出入総額は7701.4億USDに達し、前年同期比28.7%増となった。1~8月として過去最高の水準である。
輸出額は8月単月で547.9億USD、1~8月累計では3748.4億USDとなり、前年同期比22.4%増加した。
輸出を企業の資本構成別に見ると、国内企業による輸出は744.7億USDで全体の19.9%。外国直接投資(FDI)企業による輸出は、原油を含めて3003.7億USDとなり、全体の80.1%を占めた。
輸出品では、加工・製造業製品が3379.9億USDと圧倒的に大きく、輸出総額の90.2%を占めている。
輸入は35.3%増、貿易赤字は204.6億USD
一方、8月の輸入額は549.1億USDとなり、1~8月累計では3953億USDに達した。前年同期比35.3%増と、輸出を大きく上回る伸びとなっている。
国内企業の輸入額は1050.7億USDで前年同期比23.7%増、FDI企業は2902.3億USDで同40.1%増となった。
輸入品の中心は生産財で、1~8月の輸入額は3720.4億USD、全体の94.1%を占めた。
一方、消費財の輸入額は232.6億USDで、全体の5.9%にとどまった。
このことから、輸入の大部分は消費目的ではなく、国内での生産や事業活動、投資に使用される原材料や中間財であることが分かる。
米国向けは1066億USDの貿易黒字
国別では、米国が引き続きベトナム最大の輸出市場となっている。
1~8月の対米輸出額は1220億USDに達し、ベトナムの対米貿易黒字は前年同期比22.7%増の1066億USDとなった。
一方、ベトナムが最も多く輸入している国は中国で、輸入額は1619億USDに達した。
対中貿易赤字は1077億USDとなっており、ベトナムの貿易赤字を考えるうえで中国との貿易収支が大きな要素となっている。
FDI企業は黒字、国内企業は306億USDの赤字
8月単月では、ベトナムは1.2億USDの貿易赤字となった。
これにより、1~8月の累計貿易赤字は204.6億USDに拡大した。
前年同期には140.2億USDの貿易黒字だったことから、1年間で貿易収支は大きく変化している。
企業区分別では、国内企業が306億USDの貿易赤字となったのに対し、FDI企業は原油を含めて101.4億USDの貿易黒字を確保した。
ベトナムの輸出入においてFDI企業の存在感が大きいことが、貿易収支にも表れている。
電子部品などの輸入増加が貿易赤字の要因に
ベトナム政府は、今回の貿易赤字について、主にコンピューター、電子製品および電子部品などの輸入が集中していることを指摘している。
ただし、これらの輸入の大部分は、単純な消費目的ではない。生産や事業活動、投資拡大に使用する原材料や中間部品が中心となっている。
政府官房が発表した通知443号では、輸出促進と貿易赤字の抑制に向けた対応策が示された。
財務省には、電子製品関連企業による輸入取引について、取引価格や関連企業間取引を検査・管理し、親会社や同一グループ企業から大量に部品を輸入する企業における移転価格の問題を防止する取り組みが求められている。
電子・機械製品などの輸出拡大を促進
商工省に対しては、コンピューターや電子部品などの分野で、輸入額と輸出額の差が大きい企業について、輸入の理由や生産計画を確認するとともに、国内での生産と輸出を早期に拡大するよう求めている。
さらに政府は、貿易促進活動を加速させ、輸出需要の高い電子製品、機械、農産物、水産物などについて、新たな輸出受注を積極的に取り込む方針である。
経済成長の裏側で高まる輸入依存
2026年のベトナム経済は、輸出入額が過去最高を更新するなど、貿易規模そのものは大きく拡大している。
一方で、輸入の伸びが輸出を上回り、前年の貿易黒字から204.6億USDの赤字へ転じた。
特に電子製品や部品など、生産活動に必要な輸入財への依存度が高いことは、ベトナムの製造業が拡大を続ける一方で、国内サプライチェーンのさらなる強化が課題となっていることを示している。
また、物価については1~8月のCPI上昇率が4.45%となり、コアインフレ率も4.24%に達している。貿易拡大、輸入増加、物価上昇という複数の動きを同時に注視する必要がある局面となっている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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