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ベトナム貿易赤字79億USDは警戒不要か 輸出拡大前の「輸入先行局面」と専門家分析

ベトナムの港に積まれた輸出用のコンテナ
(C)THANH NIEN

3.5カ月で79億USDの貿易赤字、統計は拡大基調

ベトナム財務省傘下の税関総局は4月21日、年初から4月15日までの輸出入統計を公表した。期間中の貿易総額は約2970億USDで、前年同期比24.5%増となった。このうち輸出は1445.8億USD(+20.3%)、輸入は1524.8億USD(+28.8%)であり、貿易赤字額は約79億USDとなった。

なお、ベトナムの貿易は4月1日〜15日だけで42.5億USDの貿易赤字が発生している。

専門家「構造的には悪材料ではない」

経済専門家のレ・バー・チー・ニャン博士は、この貿易赤字について「マクロ的には悪いことではない」と分析する。

同氏によれば、輸入増加の主因は機械・設備、電子部品、繊維原材料、皮革、化学製品、鉄鋼などの「生産投入材」であり、最終消費ではなく輸出産業のための準備段階にあるという。

外資製造業の拡大が輸入を押し上げ

さらにベトナムでは外資系企業(FDI)の生産拡大が続いており、特に電子・半導体・ハイテク分野での投資が顕著である。

これらの企業は生産ライン構築や部品確保のため、年初に集中的に輸入を行う傾向があり、短期的に貿易収支を輸入超過に傾ける要因となっている。

ただしこれは中長期的には輸出増加の前提条件であるとされる。

赤字規模はGDP比で限定的、リスクは低水準

79億USDという赤字規模は、総貿易額2970億USD超に対して非常に小さく、国際収支上も安全圏内にあると専門家は指摘する。

ニャン博士は「これは景気悪化ではなく、生産拡大フェーズへの移行準備期間である」とし、今後、1年以内に輸出超過に転じる可能性を示唆した。

構造変化次第では注意も必要

一方で、RMIT大学のヴー・ティ・キム・オアン上級講師は、現状は懸念材料ではないとしつつも、輸入構造の変化には注意が必要だと指摘する。

特に、生活消費財の輸入増加や物流コスト・燃料価格上昇による輸入増が続く場合には、貿易構造の悪化リスクが生じる可能性があると述べている。

2026年は「量から質」への転換局面

専門家の見通しでは、2026年も輸出入総額は増加を続けるが、貿易黒字は2025年より縮小する可能性がある。

国際的には、電子・再生可能エネルギー・ハイテク分野を中心にベトナムへの投資は継続する見込みであり、輸出成長の基盤は維持される。

今後の焦点は「貿易の質」

一方で、環境基準、サプライチェーン規制、労働条件など輸出先市場の要求は厳格化している。

専門家は、今後の成長の評価軸は単なる金額ではなく、

  • 国内付加価値比率
  • 内製化率
  • 輸入依存度の低下

といった「質的成長」に移行すると指摘する。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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