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マーケッターの 独り言 Vol.78
従来の口コミからデジタルへ
ベトナム人の新情報の探し方

 ベトナムでは新たな店舗やサービスが次々と現れていますが、ベトナム人はどのようにこれらの情報を検索しているのでしょうか? 2024年11月、ホーチミン市とハノイ在住の18~39歳の男女300人を対象に行った調査では、デジタル利用の普及が情報検索に大きな変化をもたらしていることが明らかになりました。

 従来口コミが主流だったサービス利用の情報収集は、今や検索エンジンやソーシャルメディアが主役となっています。

 例えば、新たな飲食店の情報を探す場合、検索エンジンを利用する人は76%、ソーシャルメディアを活用する人は61%と、口コミの64%に並ぶ人気を見せています。特に若者はGoogleなどの検索エンジンよりもソーシャルメディアで情報を探す傾向が強く見られます。

 また、ホテルなどの検索においても同様の傾向が見られ、検索エンジン(71%)に加え、アプリでの検索(70%)が利用されています。一方で、旅行代理店などのオフラインによる情報収集は減少していることが顕著です。

 料理レシピの検索ではYouTube(70%)のような動画メディアが非常に人気を博しています。これにより、ベトナムの消費者は検索する情報の種類によって、メディアを賢く使い分けていることが分かります。

 さらに、日本のようにカテゴリー別のポータルサービスが広く普及していないため、ソーシャルメディアがその代替として重要な役割を果たしていることも注目すべき点です。デジタルが進化する中、情報収集の多様化は今後も加速するでしょう。

黒川 賢吾 Kengo Kurokawa
Asia Plus創業者兼代表取締役。NTT、ソニー、ユニクロを経てベトナムで起業。ベトナム最大級のオンラインリサーチパネルを利用して年間200以上の調査をこなすリサーチのプロ。