Garmex Saigon（GMC）社は、赤字が続いていることを理由に2023年末に2000人弱の従業員を解雇し、残った従業員数は僅か35人となった。
2023年第4四半期のGMCの財務報告書によれば、同社の年末の従業員数は35名のみとなっており、年初と比べて従業員数が1947人も減少している。この人員削減は2022年に同社が1828人を解雇したときよりも悪化している。これにより、わずか2年間でGMCは、3775人の従業員を解雇したことになる。
人員削減は、GMCが2023年の損失を補うために選択した主要な対策の1つである。GMCの2023年の売上高は86億VNDしかなく、前年同期比で1/35に減少した。これは、主に受注量と受注価格の減少が原因だ。2023年第3四半期以降、GMCは受注が完全にストップしてしまった。コスト削減努力をしたにもかかわらず最終的に同社は520億VND近くの損失を計上した。
同社の経営陣は、経営状況が悪化しており工場での生産を維持すると損失がさらに拡大するとの見方を示している。同社では損失を軽減しコストを最大限削減するために生産設備を整理し、従業員を削減し、生産活動を一時停止させ無ければならなくなった。これにより2023年の人件費は以前の1/6となる110億VND強まで減少した。
GMCでは2022年に人員整理に伴う費用として200億VND以上を積み立てていたので、2023年の同社の損失額は前年から39%改善している。
昨年9月の臨時総会においてGMCは、従業員35人の月額人件費を6億5000万VNDとすることを決めた。これは一人あたりにすると約1860万VNDとなる。経営陣は既に労働者と年初からの給与削減で合意しており、今後も合理的なコスト削減を続けていくとしている。昨年、同社は取締役会会長のグエン・ビエット・クーン氏への報酬を支払わなかったが、グエン・ミン・ハン社長は約9億5000万VNDの給与と賞与を受け取っている。
GMCは、創業20年近くの企業で、多くの世界的なアパレルブランドのパートナーとして、市場に大きなシェアを持つ縫製企業の1つだった。今後の見通しについて同社の経営陣は、繊維・アパレル業界には大きな変化は起きず、他国にはまだ多くの在庫が残っており、欧米からの需要はそれほどすぐには回復せず、受注量と受注額が減少すると考えている。GMCでは、縫製業界の回復状況が明確になるのは2024年第2四半期以降との見方を示している。
このような状況下において、GMCは従業員の再雇用はまだ考えていないとしている。同社は、市場が十分に回復したのを見極めてから縫製業への再投資を進めたい考えだ。
一方で、GMCはリスクを回避するためにコストを最大限に削減し、他業種への展開も検討している。直近では、同社は住宅プロジェクトへの不動産投資をおこなう予定だ。また使用していない資産の売却も進める。
Garmex Saigonは、ホーチミン市、バリア・ブンタウ省、クアンナム省に5か所の工場を所有しており、工場の総面積は10ヘクタール以上で70の生産ラインを抱えている。コロナ前の2019年には、同社の従業員数は4000人を超えており、年間の売上は数兆VNDあり、利益も1000億VNDを超えていた。コロナ下の2021年においてもGMCは依然として430億VND以上の利益を計上していた。しかし、2022年に入ってから輸出量が急激に減少し、初めての赤字を計上していた。
出典：03/02/2024 VNEXPRESS提供
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