預金金利は低下も、高金利競争は継続
ベトナムでは2026年4月10日以降、複数の銀行が預金金利の引き下げに踏み切った。中央銀行にあたるベトナム国家銀行の調整を受け、30行以上が金利を下げたものの、市場では依然として年8%前後、場合によっては10%に達する商品も存在している。
2025年末から続いていた預金金利の上昇は、2026年初頭までに約年2%上昇したが、過熱抑制のための政策介入により流れは一転した形である。
「金利ハンター」続出、銀行間の差は拡大
金利低下局面にあっても、個人投資家の間では依然として「高金利探し」が活発である。
デジタル銀行のCake by VPBankは金利を引き下げた後も比較的高水準を維持。通常預金で年7.2〜7.4%だが、新規顧客で1億VND以上の預金には追加1.3%が付与され、最大で年8.5〜8.7%に達する。
同様にNCBも6か月以上の預金で年8%超を維持し、オンライン預金では最大8.55%に達するケースもある。
そのほかにも
- MBV
- Bac A Bank
- VCBNeo
- VIB
などが年7%台の金利を提示しており、特に6か月以上の中長期預金で銀行間の差が1〜3%程度に広がっている。
年10%の超高金利も存在、ただし現実的ではない条件
市場最高水準の金利はPVComBankの年10%である。ただしこれは以下の条件付きである。
- 預金額:2兆VND(約120億円)以上
- 期間:12または13か月
また、MSBも年9%を提示しているが、こちらも5000億VND以上の大口預金が条件となる。
つまり、一般個人が利用できる実質的な高金利は「8%台」が現実的な上限といえる。
利回り差で預金移動も
ホーチミン市在住の個人投資家の事例では、ベトコンバンクで6か月預金(年6.6%)に5億VNDを預けた場合、利息は約1650万VNDにとどまる。
一方で年8.3%の商品に乗り換えれば、約2075万VNDとなり、差は400万VND以上になる。この差が、預金者の銀行間移動を促している。
預金金利は下がるのに、貸出金利はなぜ下がらないのか
預金金利が低下する一方で、貸出金利は依然として高止まりしている。
金融専門家のグエン・チー・ヒウ氏は、「貸出金利は本来すぐに下げることが可能であり、時間差は言い訳に過ぎない」と指摘する。
ただし実務的には以下の要因が存在する:
- 既存融資は契約期間ごとに金利調整(3〜12か月単位)
- 銀行は資金調達競争の圧力を受けている
- 預金増加が鈍く、資金不足状態
金利低下には限界、インフレと資金需要が制約
さらに、金利引き下げには構造的な制約がある。
- インフレ圧力の上昇
- 預金が金(ゴールド)など他資産へ流出
- 経済成長のための資金需要の増大
特にベトナムは高成長維持のために大量の資金を必要としており、銀行資金だけでは不足している。
「銀行依存」からの脱却が課題
専門家は、今後の資金調達について以下を指摘する:
- 株式市場
- 債券市場
- 海外資金
など、多様な資金源の活用が不可欠である。
企業向け貸出金利は現在年6〜8%が一般的だが、これが10%に近づけば借入需要は急減し、結果的に経済全体の需要を冷やすリスクがある。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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