乾季の電力不足に備え制度見直しへ
ベトナムでは、乾季の電力不足リスクと今後の電力需要増加に対応するため、制度面の見直しが進められている。専門家は、ピーク時間帯(高負荷時間)の再設定による需給調整に加え、再生可能エネルギーの導入加速が不可欠であると指摘する。
ピーク時間を季節別に再設定
ベトナム商工省は、電力料金に影響するピーク・オフピーク時間帯の新たな区分案を公表し、意見募集を行っている。
素案では、ピーク時間を季節ごとに変更し、特に夏季には日中の猛暑時間帯にもピーク料金を適用する仕組みとなっている。
背景には、近年急増した太陽光発電の影響がある。発電量のピークが昼間に集中することで、従来の需給構造が変化しており、時間帯区分の見直しにより実態に即した電力運用を図る狙いである。
また、料金差を明確にすることで、利用者の消費行動を調整し、ピーク時の負荷軽減につなげる考えである。
EVNは運用リスクを懸念
一方、国営電力会社であるベトナム電力公社(EVN)は慎重姿勢を示している。
全国で約125万台にのぼる、時間帯別料金に対応した電力メーターの多くが固定時間設定で運用されており、新制度への切り替えには最大3カ月を要する可能性がある。
さらに、頻繁な時間帯変更は設定ミスや請求トラブルを招くリスクがあり、顧客対応コストの増加も懸念される。このためEVNは、季節ごとの変更ではなく、従来通り夜間中心のピーク設定を維持する案を提案している。
再エネ拡大のカギは「蓄電」
制度見直しのもう一つの狙いは、太陽光発電への蓄電設備導入を促すことである。
専門家は、ピーク時間を太陽光発電の発電時間とずらすことで、投資家に蓄電池導入を促し、夜間電力の供給力を高める効果があると指摘する。
現在、蓄電池付き太陽光システムのコストは低下しており、投資回収期間も約3年まで短縮されている。余剰電力の買い取り政策の緩和も、導入拡大の追い風となっている。
インフラ制約が普及の壁
もっとも、太陽光発電は潜在力が大きい一方、送電インフラの制約により十分に活用されていない。
専門家は、条件次第では余剰電力の買い取り比率を引き上げる余地があるとし、制度改善の必要性を指摘する。
政府も、自家消費型の屋根上太陽光の導入拡大や、蓄電設備との併用を推進する方針を打ち出しているが、実際の導入は依然として進んでいない。
制度改革が普及の決め手に
関係者は、設置容量制限の緩和や売電比率の引き上げなど、制度面の早期見直しが不可欠であると強調する。
特に、ピーク時間帯での売電優遇や蓄電設備へのインセンティブが整えば、再生可能エネルギーは電力安定化とエネルギー安全保障の両面で重要な役割を果たすとみられている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN



















