ベトナム、米国に知財分野での公平な評価を要求
ベトナム政府は、知的財産権の保護および執行に関する自国の取り組みについて、米国側に対し客観的かつ均衡の取れた評価を行うよう求めた。
5月14日に開かれたベトナム外務省の定例記者会見で、外務省のファム・トゥー・ハン報道官が明らかにした。
これは、米国の「2026年スペシャル301条報告書」における知的財産関連の指摘について、ベトナム国内輸出企業向けの方針や勧告を問われたことに対する回答である。
「知財侵害は厳格に処罰」と強調
ハン報道官は、ベトナム政府があらゆる知的財産権侵害行為に対して厳格に対処する方針であると強調した。
また、知的財産権の保護および執行体制の強化を継続するとともに、関連法制度の整備と体系化を進めていると説明した。
WIPO評価でASEAN内の高水準維持
同報道官によると、ベトナムのイノベーション環境改善および知財保護への取り組みは、世界知的所有権機関(WIPO)からも評価されている。
2025年版のグローバル・イノベーション・インデックス(GII)では、139か国・地域中44位となり、ASEAN域内でも良好な成果を示したとしている。
首相指示で模倣品・海賊版対策を強化
ベトナム政府は近年、知的財産権の執行強化や密輸、商業詐欺、模倣品対策に関する複数の指示文書を発出している。
特に、5月5日付の首相公電第38号では、知財侵害への取り締まりや防止措置を徹底するよう関係機関に指示した。
政府は、こうした措置が持続可能な発展、透明性の高い投資環境の整備、国際公約履行に向けた一貫した方針を示すものだとしている。
海賊版サイト1200件超を遮断
ベトナム当局は近年、テクノロジー企業や越境サービス事業者と連携し、知財侵害案件への対応を強化している。
2025年には、知的財産権侵害に関連する数千件規模の案件を摘発した。
このうち市場管理当局は、伝統的市場で3,306件、電子商取引およびSNS上で599件の知財侵害案件を処理した。
さらに、著作権侵害の疑いがあるコンテンツを提供・共有する1,200以上のウェブサイトを遮断したという。
刑事事件としての立件・起訴・裁判件数も前年を上回ったほか、税関当局も高額な模倣品や知財侵害商品の摘発を進めている。
企業側にも法令順守求める
ベトナム外務省は、輸出企業を含む国内企業に対しても、知的財産関連法令の順守意識を高めるよう求めた。
具体的には、偽ブランド品や知財侵害商品の製造・流通・販売への関与を避け、自社の知的財産を積極的に保護するよう呼びかけている。
また、侵害行為の発見・防止・対処において、当局や権利者と連携する必要性も強調した。
米国との対話継続に意欲
ベトナム外務省のファム・トゥー・ハン報道官は、ベトナム政府が米国を含む国際パートナーに対し、国内制度や政策について積極的に情報共有を行う姿勢を示した。
その上で、双方の認識差を適切に解消し、透明で健全な投資・ビジネス環境の構築や、知的財産分野での国際協力促進につなげたい考えを示した。



















