4か月で約177億USDを輸入
2026年1〜4月のベトナム農産物輸出額は約230億USDとなり、前年同期比5.4%増加した。一方、輸入額は約177億USDに達し、同12%増と2桁成長を記録した。
これにより農業分野の貿易黒字は54億USDで、前年同期比で約12%縮小した。
特に輸入増加が目立ったのは、小麦、トウモロコシ、大豆、ナッツ類、青果物などである。
小麦・トウモロコシ輸入が急拡大
国際価格下落で企業が積極調達
輸入増加率トップとなったのは小麦だった。
1〜4月の輸入量は420万トンに達し、前年同期比76%増、輸入額は約11億USDで69%増となった。一方、平均輸入価格は1トン当たり255.4USDと3.7%下落している。
トウモロコシ輸入も同様に増加し、輸入量は410万トンで38%増、輸入額は10億USDを超えた。平均輸入価格は3.6%低下した。
豊富な供給と価格低下を背景に、企業が積極的に在庫確保を進めたとみられている。
大豆やナッツ類も輸入増
加工・再輸出が成長要因に
一方で、大豆やカシューナッツなど一部品目では価格上昇にもかかわらず輸入が拡大した。
大豆輸入量は110万トン超となり、前年同期比58%増加。輸入額は5億2,900万USDで66.4%増となった。平均価格も5.2%上昇した。
また、カシューナッツ輸入量は130万トン、輸入額は約22億USDに達した。
ベトナム青果協会(VINAFRUIT)のダン・フック・グエン事務局長は、ピスタチオ、アーモンド、マカダミアナッツなどの輸入増について、「国内消費だけでなく加工後の再輸出向け需要が大きい」と説明した。
例えば、2026年第1四半期のピスタチオ輸入額は1億2,700万USDだった一方、輸出額は1億7,800万USDに達し、前年同期比369%増となったという。
飼料確保で畜産安定へ
中東情勢やエルニーニョを警戒
畜産業界関係者によると、小麦や大豆、トウモロコシの大量輸入は、将来的な供給不安への備えという側面も強い。
ドンナイ畜産協会のグエン・チー・コン会長は、中東での軍事衝突による原油価格上昇が輸送コスト増加を招いていると指摘した。
その一方で、安価な時期に大量調達を進めたことで、ベトナム国内では飼料不足が発生せず、豚肉価格の急騰も一定程度抑えられているという。
また、強いエルニーニョ発生リスクもあり、今後の穀物供給や価格変動への警戒感が高まっている。
豚肉価格はなお高止まり
中国との差も鮮明に
ただし、飼料原料を大量輸入しているにもかかわらず、ベトナム国内の豚肉価格は依然として高水準にある。
ベトナムの生体豚価格は現在1kg当たり約6万8,000VNDで、タイの約6万VND、中国の5万VND未満を大きく上回る。
コン会長は、中国では大規模養豚投資や「マンション型養豚施設」の拡大によって供給量が急増し、価格下落につながったと説明した。
そのうえで、ベトナム畜産業界についても、
- 技術導入
- 品種改良
- 企業間連携
- 大規模化
などを進め、生産コスト削減を図る必要があるとの認識を示した。



















