前回、ベトナム拠点が「低コスト」から「高付加価値」へ転換期を迎えていることをお伝えしました。その変化には優秀人材の確保が不可欠ですが、多くの日系企業は激しい給与競争の中で、採用や定着の難しさに直面しています。
退職理由にもよく挙がる「給与への不満」に対応することも大事ですが、金銭報酬だけで人を惹きつけるには「原資」の限界があります。
だからこそ、理念や仕事の面白さ、仲間との関係性などの「非金銭報酬」を高め、従業員の長期的な貢献意欲を醸成することが重要です。
当社では、従業員が会社に魅力を感じる要素として、理念や将来性を示す「Philosophy」、仕事の面白さや成長機会を示す「Profession」、上司や仲間、風土を示す「People」、給与や福利厚生を示す「Privilege」の4つに整理しています。
非金銭報酬を高めるうえで重要なのは、自社が訴求する魅力を明確化し、動機づけをすることです。
例えば、あるベトナムのメーカーでは、複雑で機械化しづらい製品を製造しているため、従業員の能力を競争優位の源泉と位置づけています。そこで同社では、従業員が「やりがい」や「成長実感」を得られるよう、技術コンテストの開催や主体的に挑戦する従業員の表彰を行っています。
その結果、改善提案が継続的に生まれ、商品の競争優位性の向上にもつながっています。
ただ、動機づけを行う際に、従業員の「満足度」だけを高めてもうまくいきません。次回は、「満足度を高めれば、変革は進む」という誤解を掘り下げます。
著者紹介
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谷原 拓也 Takuya Tanihara
LINK AND MOTIVATION VIETNAM代表取締役社長。大手からベンチャー企業まで様々な業界で理念浸透、人事制度導入、マネジメント育成、新卒採用と幅広く組織人事コンサルティングを実施。2022年よりベトナム事業を展開、2025年1月に現法立上げ。