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ベトナムマンション市場に価格調整の兆し ホーチミン・ハノイで中古価格が下落

ベトナムの高級マンション

ベトナムのマンション市場で、長く続いた価格上昇に一服感が見え始めている。複数の市場調査会社が公表した2026年第2四半期レポートによると、ホーチミン市、ハノイ市ともに中古マンション価格が下落へ転じ、一部では1割を超える値下がりも確認された。

市場関係者は、住宅ローン金利の上昇や投資マネーの減速を背景に、市場が健全化に向けた調整局面へ入ったとの見方を示している。

ホーチミン・ハノイとも中古価格が下落

不動産コンサルティング会社Avison Youngによると、高額化した販売価格と借入コストの上昇を背景に、新築・中古とも販売の勢いは鈍化している。

一方で、投資資金は値上がり期待よりも、自ら居住する住宅や安定した賃貸収益が見込める物件へと向かう傾向が強まっている。

ホーチミン市では、第2四半期に約1万2,000戸の新築マンションが供給された。

都心部の新築価格は1平方メートル当たり3,500~5,900USDと高水準を維持したものの、中古市場では平均価格が約4,450USDまで5~8%下落した。

ハノイ市でも約4,000戸の新規供給があったが、その多くは高級・超高級物件だった。

西部・東部エリアの新築価格は1平方メートル当たり3,250~4,400USD、都心部では5,400~9,500USDとなり、新築価格は前期比約2%上昇した一方、中古市場では一部で最大12%の値下がりが見られた。

値下がりは中古市場で顕著

DKRA Consultingも、ホーチミン市の中古マンション価格が前四半期比で平均3~6%下落したと報告している。

エリア別では、

  • 東部・北部:2~6%下落
  • 西部・南部:4~6%下落
  • 中心部:3~5%下落

となった。

また、不動産情報サイト「Batdongsan」のデータでも、市内の複数プロジェクトで中古価格が年初比3~7%下落していることが確認されている。

高値で購入した投資家が売却を急ぐ

市場調査機関によると、今回の価格調整は主に、価格高騰期に銀行融資を活用して購入した投資家による売却が背景にある。

金利優遇期間が終了し、元本返済も始まるケースが増えたことで、資金負担が急増。価格上昇も鈍化したため、利益確保を諦め、購入価格を下回る水準でも売却に踏み切る例が出ている。

また、相場上昇への期待から購入した、いわゆる「FOMO(取り残されることへの不安)」による短期投資家も、市場の冷え込みを受けて売却を進めているという。

さらに、新築マンションの供給増加に加え、販売会社による各種優遇策が充実したことも、中古市場の価格競争を強める要因となっている。

「健全化に向けた必要な調整」との見方

Avison Young Vietnamのデビッド・ジャクソン社長は、金利上昇や市場の慎重姿勢、流動性低下は、市場を持続可能な成長軌道へ戻すための「必要な調整」であると指摘する。

また、FDI(外国直接投資)の高水準な実行額や企業のM&Aが引き続き活発であることは、海外投資家がベトナム市場への信頼を維持していることを示しているとの見方を示した。

加えて、大規模な交通インフラ整備が各地で進んでいることから、新たな経済圏の形成や地域間の利便性向上も期待されている。

今後は、単に供給戸数の多さではなく、実需に応える住宅であることや、安定した賃貸収益など長期的な資産価値を生み出せるかが物件の競争力を左右すると分析している。

投機から実需中心の市場へ転換

市場関係者は、短期売買を目的とした投機的な取引が減少し、慎重な購入姿勢が広がっていることについて、需給バランスを正常化させる前向きな変化と評価している。

また、価格を抑えた住宅の供給が増えれば、実際に住宅を必要とする人々の取得機会も広がると期待されている。

ベトナムのマンション市場は、急激な価格上昇を経て、現在はより実需を重視した市場への転換点を迎えている。今後は、価格の動向だけでなく、住宅の質や居住ニーズへの対応力が、市場の成長を左右する重要な要素となりそうだ。

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