ベトナム政府は、自動車やエンジンの生産・組立技術に関する技術移転規制について見直しを進めるよう関係省庁に指示した。現行制度では、最新の排ガス基準「Euro5」を採用した技術まで移転制限の対象となっていることから、自動車メーカーや業界団体が制度の改善を求めていた。
関係省庁に7月25日までの対応を指示
政府官房は、科学技術省、建設省、商工省、司法省に対し、技術移転法施行令第101号に関する業界からの要望を検討し、対応策を取りまとめるよう指示した。
ホー・クオック・ズン副首相は、関係省庁に対し制度運用上の課題や企業からの意見を精査し、必要な改善策を講じるよう要請。検討結果は7月25日までに政府へ報告するよう求めている。
Euro5技術が「移転制限」の対象に
今回、特に問題視されているのは、自動車および自動車エンジンのEuro5排ガス基準に対応した生産・組立技術が、「技術移転制限リスト」に含まれている点である。
ベトナムでは現在、Euro5が最高水準の排ガス規制となっているが、その技術が制限対象となることで、新たな技術導入やライセンス契約に追加の許認可が必要となる可能性があり、企業側は制度の整合性に疑問を呈している。
また政府は、
- Euro4以下の自動車技術を「技術移転禁止リスト」から除外すること
- 二輪車・バイク関連技術の規制開始時期と排ガス基準導入スケジュールの整合性
についてもあわせて検討する方針である。
VAMA「投資判断や生産計画に悪影響」
ベトナム自動車工業会(VAMA)は政府に対し、Euro5技術を制限対象とする現行制度は、現在の排ガス規制ロードマップと整合していないと指摘している。
同協会は、
- 政府の政策方針が企業にとって分かりにくくなる
- 生産・投資計画の立案に悪影響を与える
- 技術移転許可の取得が必要となり、企業負担が増加する
などの懸念を表明している。
さらに、このまま制度が維持されれば、国内での生産・組立よりも完成車輸入へシフトする動きが進み、サプライチェーンにも影響を及ぼす可能性があると警鐘を鳴らしている。
輸出向け車両への配慮も要望
業界団体や自動車メーカーは、Euro4以下の技術についても、輸出向け車両を生産する場合には技術移転を認めるよう求めている。
アフリカや中東などでは現在もEuro2~Euro4規格の車両需要が残っており、一律に技術移転を禁止すれば、ベトナムからの輸出競争力が低下する恐れがあるためである。
今後、政府が業界の要望をどこまで制度へ反映させるかが注目される。



















