ベトナムのチャン・タイン・マン国会議長は9月6日、韓国・ソウルを訪問し、韓国のベトナム人専門家やイノベーション関係者、韓国側の企業・団体関係者らと相次いで会談した。
両国間では経済や人的交流が拡大しているが、今回の協議では、こうした関係をさらに実質的な成果につなげるため、AI、半導体、ロボット、バイオテクノロジーなどの戦略技術分野で協力を深める必要性が示された。
韓国の技術・人材をベトナムの発展に生かす
チャン・タイン・マン国会議長は9月6日、韓国で活動するベトナム人のイノベーション・専門家ネットワークと面会した。
同ネットワークは、ベトナム国家イノベーションセンター(NIC)の支援を受け、2019年に設立されたものである。ベトナム政府が海外にいるベトナム人の知識や人材を国内の発展に生かす取り組みの一環で、現在では22の国と地域に15のネットワークを展開し、2,000人を超える専門家、研究者、科学者、企業家、技術者らが参加している。
マン国会議長は、韓国のネットワークがベトナムにとって「知識と技術をつなぐ腕」となることを期待すると表明した。
特に、韓国がこれまで培ってきた技術開発、技術の自立化、商業化の経験を共有・移転し、ベトナムの実情に合ったモデルや制度、政策を提案することを求めた。
AI・半導体など10分野を戦略技術に指定
韓国側で活動する専門家からは、ベトナムが限られた資源を戦略的な重点技術に集中させ、長期的な目標を設定する必要があるとの提言が出された。
ベトナムはすでに、2026年に公布された首相決定21/2026/QĐ-TTgによって、戦略技術および戦略的技術製品のリストを定めている。
重点分野には、人工知能(AI)、半導体、ロボット、バイオテクノロジー、環境技術、新エネルギーなど10分野が含まれる。
ただし、専門家らは重点分野を指定するだけでは十分ではないと指摘。今後は5年、10年単位の国家プログラムを策定し、政府だけでなく大学、研究機関、企業が一体となって国際競争力を持つ製品や企業を育成する必要があるとした。
研究成果を市場につなげる仕組みが課題
技術分野では、研究開発に資金を投入するだけでなく、研究成果を実際の市場に投入する仕組みの構築も重要となる。
今回の協議では、研究開発(R&D)への資金提供や研究成果の評価制度を見直すとともに、一定の管理下で科学技術分野のリスクを許容する仕組みを整える必要性も指摘された。
これは、研究機関で生まれた技術を企業が製品化し、国内市場だけでなく海外市場で競争できる事業へ育てることを狙ったものである。
韓国が製造業や半導体、デジタル技術などで世界的な競争力を築いてきた経験は、今後のベトナムの産業政策にとって重要な参考になるとみられる。
経済・文化交流を実務的な協力へ
同日、チャン・タイン・マン国会議長は、韓国の親越派関係者や企業、大学、非政府組織(NGO)などの代表者とも面会した。
会合には、ベトナムで活動する韓国の知識人、団体、企業、NGOなどから70人以上が参加した。
マン国会議長は、両国には依然として大きな協力余地があると指摘。韓国・ベトナム友好協会や韓国の親越団体、NGO、企業、大学、個人、研究者らが、ベトナム側の友好団体と連携し、経済協力や文化交流をさらに促進するよう呼びかけた。
また、両国の国民や文化について相互理解を深めるとともに、単なる交流にとどまらず、具体的な協力合意や事業につなげ、両国に実質的な成果をもたらすことが重要だと強調した。
「交流」から「成果を生む協力」へ
今回のベトナム側の発言からは、韓国との関係を単なる外交・人的交流にとどめず、技術、研究開発、企業活動、文化交流を具体的な経済成果につなげたいという姿勢がうかがえる。
特にAIや半導体などを戦略分野として位置付けるベトナムにとって、すでに高度な技術産業を形成している韓国との協力は重要性を増している。
今後は、韓国企業によるベトナムへの投資に加え、技術移転、研究開発、人材育成、スタートアップ支援など、両国の産業を直接結びつける協力がどこまで進むかが注目される。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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