ベトナム南部のロンタイン国際空港が、12月の商業運航開始に向けて最終段階に入っている。9月末からは本格的な試験運用が始まり、空港の設備だけでなく、職員や航空会社を含めた運用体制の確認が進められている。
一方、ロンタイン空港とホーチミン市のタンソンニャット国際空港との間で、国際線をどのように振り分けるかについては、まだ最終決定に至っていない。
55の試験シナリオを準備
建設省は、ロンタイン空港で10月1日以降に販売される航空券について、旅客サービス料金を設定した。国内線は1人当たり9万909VND、国際線は25USDである。国内線の旅客サービス料金はタンソンニャット空港などの主要空港と同水準となる。
空港では現在、航空機の運航、旅客の移動、各種設備などを含めた総合的な試験運用が進められている。
ロンタイン空港の運営・管理を支援する韓国の仁川空港公社とベトナムのPMIによるコンソーシアムは、約55の試験シナリオを策定。その中からベトナム空港総公社(ACV)が商業運航に必要な15~20の主要シナリオを選定し、9月末から試験を開始している。
職員についても、新しい設備の操作や部門間の連携手順を確認する訓練が続いている。
また、ベンルック~ロンタイン高速道路など周辺の道路インフラも整備が進み、空港と南西部を結ぶ交通網の強化が期待されている。
タンソンニャットとの国際線分担はなお未決定
開港準備が進む一方、重要な課題として残っているのが、ロンタイン空港とタンソンニャット空港の役割分担である。
これまでの案では、2026年12月1日の商業運航開始から2027年3月27日までを第1段階とし、航空会社の需要に応じてロンタイン空港で国際線を運航する。第2段階では長距離国際線をロンタインへ移し、第3段階では1,000km未満の短距離路線などを除き、国際線を原則としてロンタインへ移す3段階の移行が示されている。
ただし、9月30日時点で航空当局は正式な運航分担案がまだ承認されていないことを明らかにしている。
ACVの案では、ロンタイン空港が1,000kmを超える国際線、国際貨物便、新規路線などを主に担当し、東アジア、西アジア、欧州、オセアニア方面の国際線をロンタインへ移す。東南アジア路線については、ロンタイン55%、タンソンニャット45%とする案も示されている。
航空会社は「少なくとも1年」の準備期間を要求
航空会社側はロンタイン空港への移行方針そのものには概ね理解を示しているものの、正式決定から実施までの期間を懸念している。
航空会社によれば、空港設備の移転だけでなく、予約・発券システム、国際的な航空券流通システム、空港コードの変更、乗客への告知、乗務員などの人材教育まで対応する必要があり、準備には少なくとも約12カ月が必要だという。
特に短期間で一斉に路線を移管すれば、予約システムや販売網の変更が間に合わず、運航や旅客サービスに混乱が生じる可能性がある。このため、航空会社側は段階的な移行を求めている。
「距離」だけで2空港を分けることへの懸念
フンブーン大学ホーチミン市校のチャン・ベト・アイン副学長は、ロンタイン空港を国際航空の新たなハブとして育てる方向性には理解を示しつつ、タンソンニャットとの役割分担を距離だけで機械的に決めることには慎重な検討が必要だと指摘する。
タンソンニャット空港はホーチミン市中心部に近く、現在もベトナムの航空ネットワークを支える主要空港である。ロンタインへの国際線移管を進める場合でも、タンソンニャットの既存インフラや投資の活用方法を含め、両空港をどのように使い分けるかが重要になる。
ロンタイン空港の開港は目前に迫っている。今後の焦点は、単に新空港を予定通り開業させられるかだけではなく、ロンタインとタンソンニャットを含むホーチミン都市圏の航空ネットワークをどのように構築するかへ移っている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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