ホーチミン市は、都市インフラ整備に必要な資金を確保するため、国際債券市場を活用した資金調達の検討を進めている。ベトナム国際金融センター・ホーチミン市(VIFC-HCMC)と国際金融公社(IFC)は10月7日、国際債券の発行に関する協議会合を開催した。市の予算や既存の資金調達手段を補完する新たな資金源として、海外投資家から中長期資金を調達する仕組みの構築を目指す。
国際金融センターを通じた都市債・プロジェクト債を検討
VIFC-HCMCは現在、関係機関と連携し、国際金融センターを通じた都市債およびプロジェクト債の発行に関するホーチミン市人民評議会決議案を策定している。
提案書の草案では、都市債とプロジェクト債を、同センターが最初に導入する基盤的な金融商品の一つと位置付けている。これらの仕組みを整備することで、重要インフラ事業に向けた中長期資金の調達を拡大するとともに、金融アドバイザリー、信用格付け、資金調達の組成など、関連サービスの集積も促す考えである。
返済能力と財務管理が発行の条件に
協議では、IFCの都市財政担当シニア専門家パベル・コチャノフ氏が、都市の借入能力を左右する要因について説明した。
主な評価項目は、経済基盤、歳入・歳出の構造、流動性、債務負担、財務管理の質などである。借入期間全体を対象とする財務モデルを作成し、経済環境が悪化した場合など複数のシナリオを考慮する必要があると指摘した。
特に重要なのは、ホーチミン市が自ら確保できる財源によって債務を返済できることと、十分な安全余裕を確保することである。国際市場で資金を調達するには、資金需要だけでなく、長期的な返済能力と財政運営の信頼性を示す必要がある。
事業の準備状況と資金執行の速さも重要
IFCのチーフ投資専門家ニラージ・グプタ氏は、実現可能性調査が完了し、用地、許認可、契約関連書類などが整った事業を優先するよう提案した。調達した資金を速やかに投入し、早期に成果を生み出せることが重要だという。
調達した資金が工事に使われないまま滞留すれば、その間も費用が発生し、債券発行による資金調達の効率が低下する。このため、資金調達手段は事業の特性や準備状況に応じて選択する必要がある。
鉄道、高速道路、データセンターなどに資金需要
ホーチミン市人民委員会副主席で、VIFC-HCMC運営機関のトップを務めるチュオン・ミン・フイ・ヴー氏は、国際債券を同市と世界の投資家を結ぶ「橋」に例えた。
同市はこれまで、IFCや金融機関、アドバイザリー企業などと協議を重ね、国際的な資金調達の方法を検討するとともに、法的な課題の解消に取り組んできたという。
今後5年間、ホーチミン市では都市鉄道、高速道路、データセンター、環境インフラ、給水、排水処理などの整備に多額の資金が必要となる。このため、国際債券市場へのアクセスは現実的な必要性があるとし、持続可能な形で着実に進める考えを示した。
初回発行を国際資本市場での信用構築につなげる
フイ・ヴー氏は、事業計画を持つだけでは十分ではなく、国際資金を受け入れられる段階まで事業を準備することが重要だと強調した。
初回の債券発行は、国際資本市場におけるホーチミン市の信用を築くための出発点となる。その実績を基盤に次回以降の発行につなげ、継続的な資金調達ルートを確立する狙いである。
さらに、VIFC-HCMCを通じてベトナム企業が国際資本市場にアクセスする機会を広げることも期待されている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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