韓国・ソウルで9月8~10日に開催された「第27回ワールド・ナレッジ・フォーラム」で、ASEANの経済成長と国際競争力をテーマにした議論が行われた。
今年の「ASEAN Entrepreneur Award(ASEAN起業家賞)」には、ベトナムの大手投資運用会社VinaCapitalの最高経営責任者(CEO)兼創業株主であるゾン・ラム氏と、フィリピンのPhilippine Center for Entrepreneurship(Go Negosyo)創設者のホセ・マ・コンセプシオン3世氏が選ばれた。
両氏はフォーラムで、ASEAN各国がそれぞれの強みを生かしながら地域としての結び付きを強め、国際市場での競争力を高める必要性を訴えた。
ASEANへの投資が続く背景
ゾン・ラム氏は、ASEANが引き続き世界の投資資金を引き付ける有力な地域の一つであると指摘した。
一方で、ASEANは一つの市場として捉えられるようになっているものの、実際には加盟国ごとに経済構造や市場環境が大きく異なる。投資家にとっては、地域全体の成長性だけでなく、各国の違いを理解することが重要だという。
ゾン・ラム氏によると、韓国企業は比較的早い段階からASEANの成長性に注目してきた。現在では、ASEANを単なる複数の国の集合ではなく、国境を越えた事業機会を持つ一つの経済圏として見る投資家も増えている。
また、ASEANは世界でも高い水準の経済成長を続けており、中間層の拡大も投資や消費の新たな需要を生み出しているとした。
ベトナムは製造業とFDIが成長をけん引
ベトナムについては、製造業の発展、インフラ投資、海外直接投資(FDI)の誘致が現在の成長を支える重要な要素になっていると説明した。
韓国はベトナムにおける最大の外国投資国であり、サムスンやLGなどの大手企業が現地で幅広く事業を展開している。
ゾン・ラム氏は、ベトナムと韓国は投資、貿易、文化など多くの分野で強い関係を築いていると指摘した。
さらに、ベトナムが採用してきたバランスの取れた外交政策も経済面での強みになっていると評価した。
ベトナムは、世界各地のサプライチェーン、投資資金、貿易機会を結び付ける「接続された経済」の役割を担いつつあるという。
ゾン・ラム氏は、ASEAN全体についても同様の役割を果たす可能性があると指摘。世界の主要経済圏をつなぐ経済的な橋渡し役として、ASEANの存在感がさらに高まるとの見方を示した。
ESGが企業の競争力と「強さ」を左右
フォーラムでは、持続可能な成長についても議論された。
ゾン・ラム氏は、環境、社会、企業統治を重視するESGが、投資判断や企業の長期的な成長戦略において重要性を増していると説明した。
ESGへの対応は、単に企業の評価を高めるだけではない。世界的な事業環境が変化した際に、企業がその影響に対応する力を高めることにもつながるという。
VinaCapitalでは、ESGを投資先企業やプロジェクトを評価する際の重要な基準の一つとしている。同社は年間約70~80社・プロジェクトに投資しており、投資先のESGへの取り組みを評価するため、毎年ESG報告書も公表している。
特に欧州や米国向けに輸出する企業にとっては、環境や社会に関する要求への対応が今後さらに重要になるとみられる。
最初から「ASEAN市場」を視野に
若い起業家に向けて、ゾン・ラム氏は事業を立ち上げた段階から地域、そして世界を視野に入れることの重要性を訴えた。
一つの市場だけを対象とする事業では、長期的に持続的な成長を実現することが難しいという考えである。
ASEANの経済成長が続くなか、地域全体を市場として捉え、さらに世界市場とのつながりを意識して事業を構築する企業ほど、長期的な成長に向けた優位性を持つ可能性がある。
ASEANはこれまで「高い成長率を持つ新興市場」として語られることが多かった。しかし今回の議論からは、成長市場としての魅力だけでなく、世界のサプライチェーンや投資資金を結び付ける経済圏としての役割が、今後の競争力を左右するとの見方が浮かび上がる。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN





























