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ベトナム中部、地域連携が成長の鍵に 港湾・空港を企業と物流でつなぐ

ベトナム民間セクター経済フォーラム(VPSF)2026でのディスカッションの様子
(C)THANH NIEN

ベトナム中部には、全国34カ所の港湾のうち14カ所、12カ所の空港、11カ所の沿岸経済区が存在する。しかし、これだけのインフラと経済拠点を抱えながら、同地域のGDPへの貢献は19.26%にとどまっている。

9月26日にダナン市で開催されたベトナム民間経済フォーラム(VPSF)2026の中部地域ラウンドテーブルでは、こうした状況を打開するため、自治体単位ではなく、企業、物流、資本、データ、市場をつなぐ「地域連携」の必要性が議論された。

豊富なインフラを生かし切れていない中部

ベトナム中部は、沿岸部の海、港湾、工業地帯、都市と、中部高原の原材料供給地、農業地帯、エネルギー、東西経済回廊などが相互に補完できる構造を持つ。

一方で、各地域がそれぞれの発展を目指してインフラを整備してきた結果、地域全体としての連携が十分に進んでいない。

国家金融・金融政策諮問評議会のメンバーであるチャン・ディン・ティエン准教授は、現在の中部地域について、成長拠点が「工業の島」のように存在しているものの、それらを結ぶ「橋」が不足していると指摘した。中部地域には全国の港湾、空港、沿岸経済区が集中している一方、沿岸部と中部高原を横断的につなぐ高速道路網もまだ十分に完成していない。

つまり、問題は資源やインフラそのものが不足していることではなく、それらを一体的に機能させる仕組みが不足していることにある。

「地域をつなぐ」から「価値をつなぐ」へ

フォーラムでは、地域連携の考え方そのものを変える必要性も指摘された。

ベトナム若手経営者協会は、中部地域が縮小すべき格差として、「政策から実行まで」「インフラから経済回廊まで」「地域の成長から企業の成長力まで」の3つを挙げた。

単に道路や港湾などを物理的につなぐだけではなく、貨物、資金、データ、企業、そして市場をつなげることが重要となる。

特に企業間連携については、単なる交流会や名刺交換にとどめず、実際の受注や契約につながるB2B連携へ発展させる必要があるとの意見が出された。

チャン・ディン・ティエン氏は、行政区画を単位とした連携から、企業を主体としたバリューチェーンによる連携へ移行する必要があると提案した。

その上で、ダナンを中部地域のサービス拠点と位置付け、地域・地域間の調整メカニズムの構築、港湾・物流システムの役割分担、中部企業を支援する常設機関の設置を早急に進めるべきだとした。

中小企業を地域のサプライチェーンに組み込む

地域連携を進める上では、中小企業の取り込みも重要な課題となる。

ベトナム若手経営者協会のブー・ホン・クアン副会長は、中部・中部高原地域では、中小企業の能力が十分に把握されておらず、支援策も市場の需要と十分に結び付いていないと指摘した。

そのため、地域全体で共有できる企業データベースや企業能力情報を整備し、大規模プロジェクトや大手企業の需要を起点としてサプライヤーを育成することを提案した。

企業を資金、技術、品質基準、市場につなげる地域横断的なネットワークを構築することも求められている。

これは、中部地域に工場や港湾を増やすだけではなく、「その地域にある企業を、どのように一つの産業ネットワークに組み込むか」という課題でもある。

ダナンが中部経済の「ハブ」を目指す

こうした地域連携の中心として期待されているのがダナンである。

ダナン市人民委員会のファン・タイ・ビン副主席は、同市が中部地域全体の資源、アイデア、市場、企業コミュニティをつなぐ拠点になることを目指していると説明した。

市は各地域や経済団体、企業と協力し、地域間連携を強化するとともに、投資・ビジネス環境の改善、行政改革、デジタル化、企業との対話を進める方針である。

また、企業を単なる行政サービスの対象ではなく、都市の発展をともに担う重要なパートナーと位置付けている。

データを使った企業経営も重要に

フォーラムでは、企業側の対応についても議論された。

今後、行政による管理がデータやリスク分析を重視する方向に進む中、企業も会計・税務に対する考え方を変える必要があるとの指摘が出ている。

ダナン若手経営者協会のグエン・チョン・ヒウ副会長は、「検査されてから説明する」という姿勢から、日頃からデータを管理・標準化し、透明性を確保する経営への転換が必要だと指摘した。

法令順守を行政対応の問題としてではなく、企業経営そのものの一部として捉えることが求められている。

「工業の島」を「工業の群島」へ

ベトナム中部には、港湾、空港、工業団地、沿岸経済区、農業資源、エネルギーなど、成長につながる要素がすでに存在している。

それでもGDPへの貢献が19.26%にとどまっていることは、個々の地域が持つ強みを、地域全体の経済力に変換する仕組みが十分ではないことを示している。

今後の焦点は、新しい「島」をさらに作ることではなく、既存の島同士を道路、港湾、物流、企業、資本、データ、そしてバリューチェーンで結ぶことにある。

「工業の島」を「橋で結ばれた工業の群島」に変えられるか。ダナンを中心とした中部地域の経済連携は、今後のベトナムの成長を考える上でも注目されるテーマとなりそうである。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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