ベトナム南部ドンナイ省で23日、カシューナッツ産業の持続的発展をテーマとした科学会議が開催され、専門家らから「世界一おいしい」と評価されることもあるドンナイ省産カシューナッツの国際ブランド化を進めるべきだとの提言が相次いだ。
会議は「ドンナイ市ゴールデンカシューフェスティバル」の関連行事として開催され、生産者、協同組合、加工企業、研究者らが参加した。
世界市場シェア8割超を占めるベトナム産カシューナッツ
ベトナムカシューナッツ協会(Vinacas)によると、2025年のベトナムのカシューナッツ輸出額は54億USDを超え、112以上の国・地域へ輸出された。これは世界のカシューナッツ輸出市場の80%超を占めている。
ドンナイ省は、ベトナム国内の主要カシューナッツ生産地の一つで、栽培面積は17万6,000ha超、年間生産量は約30万トンに上る。品質は「世界一おいしい」と評価する声もあるほどだ。
Vinacasは、2030年までにドンナイ省のカシューナッツ産業を、単なる加工拠点から、ハイテク・グリーン・高付加価値型の近代産業へ転換する必要があると提言した。
輸出市場で高まる品質・環境基準
ドンナイ市カシューナッツ協会のブー・タイ・ソン会長は、主要輸入市場では近年、
- トレーサビリティ
- 持続可能性
- 炭素排出
- サプライチェーン上の社会的責任
などへの要求が一段と厳格化していると指摘した。
そのため、企業側には加工技術投資、ブランド構築、デジタル化推進による国際競争力強化が求められていると述べた。
高収量新品種への更新提案
農家側からは、生産性向上の必要性も指摘された。
30年以上カシューナッツ栽培に従事し、現在は、国内カシューナッツ農家平均の約3倍となる1ha当たり3.5〜4tの収量を実現しているグエン・シー・ソン氏は、
- 高収量
- 耐乾性
- 病害虫耐性
を備えた新品種への更新が重要だと提案した。
また、農家が安心して品種転換を進められるよう、信頼できる苗木供給体制の整備も必要だと訴えた。
“ミシュラン星”のような国際評価を目指す
財政省系政策開発学院のニュー・チョン・バック副院長は、ドンナイ省のカシューナッツ産業について、
- 電子的地理的表示制度の整備
- KOL(インフルエンサー)活用
- 農業文化空間の構築
- 観光・旅行業界との連携
などを進める必要があると提案した。
その上で、「ドンナイ省産カシューナッツが“ミシュランの星”のような国際的評価を得られれば、世界の観光マップ上で大きな存在感を示せる」との見方を示した。
観光と連携した地域ブランド構築へ
ドンナイ省農業環境局のレ・ティ・アイン・トゥエット副局長は、今後、
- 農家
- 協同組合
- 企業
の連携強化を進める方針を説明した。
また、
- 深加工投資
- 原料産地整備
- 輸出支援
- 地域観光との連携
を推進し、「ドンナイ・カシューナッツ」ブランドの構築と普及を目指すとしている。



















