国際物流大手のFedExが、ベトナム国内で運用システム移行中に大規模な物流混乱を起こしており、多くの企業が原材料不足や輸出遅延など深刻な影響を受けている。
特に4月末からの祝日連休(4月30日~5月1日)以降、貨物の滞留が急激に悪化し、ハノイ市とホーチミン市の両拠点で混乱が続いている。
原材料届かず、生産停止リスクも
ハノイ市のアパレル企業関係者は、海外顧客向けサンプル生地が空港到着後も長期間引き取れない状況にあると説明した。
同社では、納期遅延による顧客キャンセルや工場への違約金発生リスクも出ているという。
また、別の企業は、約2億VND相当の温度管理が必要な貨物が空港倉庫に長期間放置され、品質劣化の恐れが高まっていると訴えた。
一部企業では、原材料不足により生産ライン停止を余儀なくされているケースもある。
「電話もつながらない」
ホーチミン市の企業関係者によれば、通関済み貨物が何日経っても配送されず、FedEx側への連絡も困難な状態が続いている。
電話はつながらず、自動音声案内後も長時間待たされる状況で、メール問い合わせにも返信がないという。
別の企業担当者は、3日間連続で空港に通い続け、ようやく一部貨物のみ受け取れたと説明。残り約30件の貨物は依然として滞留中だという。
空港カウンターには長蛇の列
現地報道によれば、5月11日時点でも貨物滞留は解消されておらず、多くの利用者がFedEx窓口で順番待ちを続けている。
中には週末から空港カウンター付近で寝泊まりしながら対応を待つ利用者もいた。
FedEx側は窓口で、
- 運営安定化に全力を注いでいること
- 現在は予約済み貨物の受け取り・配送のみ対応していること
- 緊急貨物については余裕を持った計画や代替手段を検討するよう求めること
などを通知している。
システム移行と祝日後の貨物集中が原因
FedExベトナムは、現在の混乱について「サービス向上のための運営移行作業」が原因だと説明している。
同社によれば、移行初期段階に祝日後の貨物量急増が重なり、処理能力に一時的な圧力が生じたとしている。
現在も貨物処理正常化を進めているものの、滞留貨物解消にはなお時間が必要だとしている。
また、保管料免除措置を実施するほか、一部では貨物を先行配送し、税金や通関書類は後日処理する柔軟措置も導入している。
「問題は保管料ではない」
しかし、多くの企業はFedEx側の説明に強い不満を示している。
企業側は、「問題は保管料免除ではなく、貨物遅延による実害だ」と指摘する。
特に、輸出向け製造業では、原材料遅延がそのまま輸出停止や顧客契約への影響につながるため、日々大きな損失が発生しているという。
ある企業関係者は、「保管料発生は顧客側の責任ではなく、FedEx内部の運営障害によるものだ。顧客が本当に求めているのは、貨物の迅速処理、正常化時期の明示、そして企業損失に対する責任ある対応である」と批判した。



















