FDI流入が急増、約29億USDに拡大
ホーチミン市への外国直接投資(FDI)が急増している。2026年第1四半期のFDI流入額は約29億USDとなり、前年同期比で220%超の大幅増を記録した。
注目されるのは、投資額の増加だけでなく質の向上である。新規案件としては、TikTokのシンガポール法人によるTikTok Shop Vietnam(投資額1億2500万USD)プロジェクトや、同じくシンガポールのTechtronic Industries社による製造プロジェクト(投資額8100万USD)など、IT・製造分野の大型案件が含まれている。
既存投資家も増資、数千万~数十億USD規模
新規投資に加え、既存の外資企業による増資や出資拡大も目立つ。ホーチミン市財務局によると、数千万USDから数十億USD規模の資本参加・株式取得が相次いでいる。
代表例としては、オランダ系のMSD Animal Health Vietnamによる8000万USDの増資、シンガポール系企業によるIT・科学技術分野での数千万USD規模の追加投資などが挙げられる。
こうした動きは、既存投資家がホーチミン市のビジネス環境に対する信頼を維持していることを示すものと評価されている。
地政学リスク下でも投資信頼は維持
世界的に地政学・経済環境の不確実性が続く中でも、ホーチミン市のFDIが大幅増となった点は特筆される。
当局は、投資が「量」と「規模」の双方で拡大していることに加え、データセンター、金融、先端技術といった高付加価値分野へのシフトが進んでいると分析している。これによりホーチミン市は、従来の製造拠点から高度サービス・技術拠点へと転換しつつある。
第2四半期に過去最大の流入見込み
ホーチミン市は、2026年通年のFDI目標を約110億USDと設定しているが、第2四半期だけで約89億USDの流入を見込んでいる。
この見通しが実現すれば、上半期終了時点で年間目標を前倒し達成する可能性がある。
半導体・AI分野で大型案件誘致へ
同市は今後の重点分野として、ハイテク、イノベーション、データセンター、物流、デジタル経済、グリーン成長を掲げている。
特に半導体分野では、AMD、NVIDIA、Qualcommといった大手との協力を進め、少なくとも4件の高付加価値FDI案件の誘致を目指す。
制度改革が投資加速の後押し
専門家は、FDI急増の背景として制度改革の進展を挙げる。投資手続きの処理期間を最大50%短縮する政策や、土地・インフラ・科学技術分野での規制緩和が進んでいる。
これにより、長年停滞していた大型プロジェクトの迅速な実行が可能となり、投資環境の改善につながっている。
国際金融センター構想で資本流入加速
ホーチミン市は、国際金融センターの構築も進めている。金融サンドボックス制度の導入により、デジタル資産、トークン化、フィンテックなど新たな金融モデルの実証が可能となる。
また、航空・海運・サプライチェーン金融やグリーンファイナンスなど、分野別の金融クラスター形成も計画されている。
専門家は、同市が東南アジアの資本ゲートウェイとして、ベトナムだけでなくカンボジアやラオスを含むメコン地域全体の資金を引き付ける可能性があると指摘する。
「質のFDI」で都市競争力を強化
安定的かつ高品質なFDI流入は、金融システムの深化を促し、国際金融センターとしての格上げにも寄与する。
ホーチミン市は今後、超大型プロジェクトや先端技術分野への投資誘致を通じ、東南アジアにおける競争力強化を目指す構えである。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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