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ホーチミン市、歩道占拠の広告看板を一斉撤去へ 中心部の「広告ジャングル」にメス

ホーチミン市内に設置された屋外広告看板
(C)THANH NIEN

ホーチミン市建設局は、歩道や中央分離帯に設置された広告看板による交通安全や都市景観への悪影響が深刻化しているとして、ホーチミン市人民委員会に対し大規模な撤去・整理計画を提案した。

市中心部では歩行者の通行を妨げる大型広告塔やLED広告スクリーンが増加しており、当局は厳格な対応に乗り出す方針である。

歩道を埋め尽くす広告看板

建設局によると、旧ホーチミン市区域だけでも現在約732基の広告施設や広報設備、広告柱などが設置されている。

調査の結果、多くの施設で以下のような問題が確認された。

  • 歩行者用通路として必要な幅員1.5メートルを確保していない
  • 看板下端の高さが2メートル未満
  • 交差点付近で高輝度LED広告を設置
  • 動画広告による運転者への注意散漫

特に歩道上に設置された大型広告柱の周辺では、飲食店利用者のバイク駐車も重なり、歩行者が車道へ出ざるを得ない状況も発生している。

LED広告が交通安全を脅かす

建設局は、屋外広告の急増が交通安全上の新たな課題になっていると指摘している。

スアンホア街区のナムキーコイギア通りでは、中央分離帯に設置された大型LED広告が昼夜を問わず高輝度で映像を切り替えており、運転者からは視界への影響を懸念する声が上がっている。

配車サービスのドライバーは、「夜間に大型LED広告のある交差点を通過すると、強い光で視界が乱され、歩行者や障害物の確認が難しくなる」と訴えている。

パスター通りとボーティサウ通りの交差点付近でも、映像広告による注意力低下が問題視されている。

インフラ整備の障害にも

建設局によれば、広告柱や多機能情報ステーションの設置は、

  • 上下水道
  • 電力設備
  • 通信設備
  • 街路樹

などの都市インフラと競合している。

さらに大型広告柱の多くは深い基礎杭で固定されており、将来的な道路拡張工事や地下インフラ整備の際に撤去が困難になると指摘している。

交通標識や歴史景観を遮るケースも

ホーチミン市中心部の主要道路では、多数の広告柱や情報ステーションが横断歩道付近に設置されていることも問題となっている。

グエンティミンカイ通り、グエンズー通り、カックマンタンタム通りなどでは、歩行者の動線を妨げるだけでなく、交通標識の視認性を低下させるケースも確認された。

また、一部の広告施設は歴史的建造物や文化遺産周辺の景観を損なっているとされる。

さらに、タンソンニャット国際空港第3ターミナル周辺では、敷地内に設置された広告看板が道路上空へ張り出している事例も報告された。

BTS基地局併設施設にも問題

2024年から2025年にかけて、ホーチミン市通信局は旧1区および旧3区で計85か所の多機能情報ステーション兼BTS基地局を設置している。

しかし建設局の調査では、

  • 車いす利用者向け通路を塞いでいる
  • 承認設計と異なる仕様で設置されている
  • 本来の情報提供機能より商業広告が中心となっている

などの問題が確認された。

2026年第3四半期までに撤去を完了へ

建設局は今後、歩道を歩行者に返還し公共交通利用を促進するため、屋外広告施設の抜本的な整理を進める方針である。

具体的には、

  • 2025年1月1日以前に認可された広告施設については最大24か月の存続を認めるか個別審査
  • 安全上の問題が大きい施設は1か月以内に撤去命令
  • 2025年1月1日以降に設置された施設や無許可施設は1か月以内の撤去を義務付け
  • 応じない場合は行政当局が強制撤去

とする計画である。

市当局は2026年第3四半期までに対象施設の整理を完了させたい考えである。

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