2026年末の開港を目指すロンタイン国際空港を巡り、ホーチミン市とドンナイ省を結ぶ交通インフラ整備が急速に進められている。
開港まで残された時間が限られるなか、ベトナム政府は高速道路の拡張や新橋建設、鉄道整備などを加速させ、「スーパー空港」の運用開始に間に合わせる構えである。
ホーチミン-ロンタイン高速道路で再び大渋滞
6月13日の週末、ホーチミン市-ロンタイン-ザウザイ高速道路では、アンフー・ジャンクションからロンフック料金所付近にかけて大規模な渋滞が発生した。
車列は10km以上にわたって続き、一部区間ではほぼ停止状態となった。
夏休みの観光シーズン到来により、旧バリア・ブンタウ省方面へ向かう交通量が急増したことが背景にある。
同路線を頻繁に利用する運転手は、「4車線で設計された道路だが、実際の交通量は処理能力の3倍近くに達しており、週末の渋滞はもはや日常風景になっている」と話す。
政府が空港開港へ強い姿勢
同日、ロンタイン国際空港建設現場を視察した建設省のチャン・ホン・ミン大臣は、事業主体であるベトナム空港公社(ACV)に対し、年末までの完成と運用開始を厳命した。
また6月13日午後には、レ・ミン・フン首相がドンナイ省指導部との会議で、建設省および関係機関との連携を強化し、技術面・法的課題を早急に解決するよう指示した。
首相は2026年末までの空港開港について、「例外は認められない」と強調した。
高速道路拡張工事も急ピッチ
空港開港の期限が迫るなか、アクセス道路整備も最優先課題となっている。
ベトナム高速道路投資開発総公社(VEC)は、総投資額16兆3,000億VND超を投じ、ホーチミン市-ロンタイン-ザウザイ高速道路の約21.9km区間の拡幅工事を進めている。
用地取得や法的手続きの遅れにより工事は難航したものの、現在は24時間体制で作業が行われている。
特に最大の難所とされるロンタイン橋では、現在の4車線から8車線への拡幅工事が進められており、ドンナイ川を横断する交通のボトルネック解消が期待されている。
政府はホーチミン市およびドンナイ省に対し、6月20日までに必要用地の引き渡しを完了するよう求めている。
空港へのアクセス道路も完成間近
ロンタイン空港へ直接接続するT1・T2道路も最終工事段階に入っている。
総延長11km超の両路線は国道51号線と空港ターミナルを結び、開港時までの完成が確約されている。
これらは空港運営初期における最重要アクセスルートとなる見通しである。
周辺道路網も同時整備
空港アクセスを高速道路一本に依存しないため、周辺道路網の整備も進む。
最近全線開通したビエンホア-ブンタウ高速道路に加え、環状3号線(ニョンチャック区間)の建設も急ピッチで進行中である。
政府は盛土材不足に対応するため、建設資材採掘許可手続きを簡素化する特例措置も導入した。
完成後は国道51号線や既存高速道路の負担軽減につながると期待されている。
新たな橋梁建設でアクセス経路を多様化
ホーチミン市とドンナイ省は、地域交通網を再構築する包括的な計画も進めている。
重点事業には以下が含まれる。
- フーミー2橋(8車線)
- ドンナイ2橋
- 環状3号線のニョンチャック橋拡張
これらの事業は2026年中の着工が予定されている。
完成すれば、ホーチミン市南部およびトゥードゥック地区からドンナイ省へのアクセスが大幅に改善される。
将来は鉄道がアクセスの主軸に
長期的には、大量輸送機関である鉄道を中心とした交通体系の構築が計画されている。
その中核となるのが、ホーチミン市中心部とロンタイン国際空港を結ぶ「トゥーティエム-ロンタイン鉄道」である。
関係機関は現在、事業化調査や投資方式の選定を急いでおり、7月にも着工する方針だ。
開業後は市中心部から空港ターミナルまで直接アクセスできるようになり、渋滞による乗り遅れリスクの大幅な低減が期待される。
さらに計画中の南北高速鉄道についても、ロンタイン空港地区に大型旅客駅を設置する構想が盛り込まれている。
ロンタイン空港の成否を左右するアクセス整備
ロンタイン国際空港は、将来的にタンソンニャット国際空港と並ぶベトナム最大級の航空ハブとなることが期待されている。
しかし、空港本体が完成してもアクセスインフラが不足すれば、その機能を十分に発揮できない。
今回の高速道路渋滞は、その課題を改めて浮き彫りにした形であり、今後数年間は空港建設と並行して交通ネットワーク整備の進捗が注目される。




















