5月29日、シンガポールで開催された第23回シャングリラ会合に合わせ、ベトナムのトー・ラム国家主席は米国のピート・ヘグセス国防長官、オーストラリアのリチャード・マールズ副首相兼国防相、日本の小泉進次郎防衛大臣とそれぞれ会談した。
会談した各国は、トー・ラム国家主席がシャングリラ会合の基調講演者として招待されたことについて、ベトナムの地域的な役割や発言力、地域課題への貢献が国際社会から高く評価されていることの表れだとの認識を示した。
米国との会談 「ベトナムは最重要戦略パートナーの一つ」
トー・ラム国家主席はヘグセス国防長官との会談で、ドナルド・トランプ大統領への親書を託した。
ヘグセス長官は、トランプ大統領がベトナムとの関係を重視しており、地域におけるベトナムの重要性を高く評価していると伝えた。
トー・ラム国家主席は、ベトナムが米国を「最も重要な戦略的パートナーの一つ」と位置付けていると述べ、包括的な戦略的パートナーシップの具体化を進めたい考えを表明した。
また、経済・貿易・投資に加え、
- 科学技術
- イノベーション
- 国防・安全保障
- ハイテク分野
での協力拡大を提案した。
さらに、米国製先端技術へのアクセス拡大を求めるとともに、戦争被害克服に関する協力事業の継続が両国間の信頼醸成に重要な役割を果たしていると評価した。
この機会にトー・ラム国家主席は、トランプ大統領に対するベトナム公式訪問の招待も行った。
豪州との会談 貿易額200億USD目標へ
オーストラリアのマールズ副首相兼国防相との会談では、包括的な戦略的パートナーシップの発展状況が議題となった。
マールズ副首相は、ベトナムを地域で最も信頼できるパートナーの一つと評価し、地域問題に対するベトナムのバランスの取れた姿勢を高く評価した。
双方は、
- 二国間貿易額を200億USDへ拡大
- 相互投資額の倍増
- 新たな協力枠組みの早期始動
を目指すことで一致した。
また、防衛協力では、
- 英語教育
- 軍医育成
- 国連平和維持活動(PKO)
- 南スーダンへのベトナム野戦病院派遣支援
などでの協力成果を確認した。
マールズ副首相は、ベトナム海軍艦艇による多国間海軍演習「カカドゥ」への参加を歓迎するとともに、2026年豪州国防戦略においてベトナムを含む地域諸国との防衛協力を重視していると説明した。
トー・ラム国家主席は、留学生を含むベトナム人に対する支援継続を要請し、豪州側もベトナム系コミュニティが両国関係の重要な架け橋となっているとの認識を示した。
日本との会談 ハイレベル合意の具体化を加速
日本の小泉進次郎防衛大臣との会談では、両国の包括的な戦略的パートナーシップの具体化が主要テーマとなった。
トー・ラム国家主席は、ベトナム政府が各省庁に対し、首脳間で合意した内容を具体的な行動計画へ落とし込むよう指示していると説明した。
これに対し小泉防衛大臣は、日本がベトナムとの関係を重視しており、国防・安全保障を含む幅広い分野で協力を拡大したいとの考えを示した。
また、日本は今後もベトナムと緊密に連携し、両国首脳間で合意された内容の着実な実施を支援していくと表明した。
会談では、トー・ラム国家主席が、小泉純一郎元首相が過去の日越関係発展に果たした役割を高く評価する場面もあった。
双方は、長年にわたり築かれてきた信頼関係と継続性が日越関係の重要な財産であり、今後も維持・発展させるべきとの認識で一致した。
ベトナムへの期待を示した一連の会談
今回の一連の会談では、米国、オーストラリア、日本のいずれもがベトナムの地域的役割や国際的影響力の高まりを評価した。
また、従来の防衛・安全保障協力に加え、
- 先端技術
- イノベーション
- サプライチェーン強靭化
- 人材育成
といった分野での協力拡大が共通のテーマとなった。
シャングリラ会合の場を通じて、ベトナムが主要国との戦略的関係をさらに強化しようとする姿勢が改めて示された。



















