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ベトナムの卵生産が供給過剰、価格急落 養鶏業界で採算悪化

スーパーで卵の価格を確認するベトナム人消費者
(C)THANH NIEN

ベトナムで鶏卵の生産量が増加する一方、需要の伸びが追いつかず、卵価格が大きく下落している。2026年上半期の鶏卵生産量は108億個を超え、前年同期比で4.8~5%増加した。供給過剰による価格低下に加え、飼料や人件費、電気代などのコスト高も重なり、養鶏業者の採算が悪化している。

鶏卵生産は5年間で拡大、需要が追いつかず

ベトナムの鶏卵生産量は増加を続けている。2023年の約192億2000万個から、2024年には200億個超、2025年には約214億個まで拡大した。

2026年も増産傾向は続いており、上半期の生産量は108億個を超え、前年同期比で約4.8~5%増加した。

一方、採卵用鶏は一度産卵を始めると、市場が供給過剰になったからといって短期間で生産量を減らすことが難しい。生産量が増え続ける一方で消費の伸びが追いつかなければ、余剰分が価格を押し下げることになる。

特に消費需要が弱まる時期には、供給過剰による価格下落圧力が強まっている。

卵価格は半年足らずで半値近くまで下落

卵価の推移にも供給過剰の影響が表れている。

2025年末には、養鶏場での鶏卵価格が1個2500~3000VND程度まで上昇した。しかし2026年に入ると下落に転じ、5~6月には一部地域で1200~1500VND程度まで下落した。

高値だった2025年末と比較すると、下落幅は一時、半分近くに達した。

路上では低価格の卵が大量に販売される状況もみられ、養鶏場や関連企業の経営を圧迫している。

ある養鶏企業の関係者は、「卵の価格が500VND下がると、1日100万個を生産する企業なら1日5億VNDの売上減になる」と説明する。

カンボジア向け輸出の減少が国内供給過剰に

ビン・タイン・ダット食品のチューン・チー・ティエン社長によると、2025年に卵の卸売価格が上昇した背景には、カンボジア市場からのベトナム産卵の需要拡大があった。

卵価格の上昇を受け、多くの生産者が採卵鶏の飼育頭数を増やした。しかし、その後カンボジア側で国内供給が整い、輸入が抑制されたことで、ベトナム国内では卵が余るようになったという。

鶏卵は長期保存が難しいため、生産量が増えるほど販売先の確保が重要になる。

ベトナムで生産される卵の大部分は国内市場で消費されており、輸出能力にはなお限界がある。そのため、供給が需要を上回ると、生産者は在庫を抱えないために販売価格を引き下げざるを得ない。

生産コスト高のなか「増産」から転換へ

養鶏業界では、飼料、ひな、電気、労働力、動物用医薬品、資金調達などのコストが一定水準で発生する。

そのため、卵の価格が生産コストを下回れば、生産者は赤字を抱えながら生産を続けることになり、最終的には飼育頭数を減らす対応を迫られる。

ベトナム家禽協会によると、2026年前半に市場が大きく変動した直接的な要因の一つは、2025年末から外資系企業、大手畜産企業、飼料メーカーなどが相次いで飼育規模や生産能力を拡大したことにある。

その結果、白色系ブロイラーの価格が1kg当たり2万2000~2万4000VND、在来系の色付き鶏が4万5000~4万8000VNDまで下落する時期もあった。鶏卵も1個1200~1300VNDまで下落し、いずれも生産コストを下回る水準となった。

8~9月には市場がやや改善したものの、国内消費の回復は緩やかである。社員食堂や工業団地、学校などの需要回復も遅れており、需給バランスはなお不安定な状態にある。

業界は「規模拡大」から「生産効率」へ

ベトナム家禽協会のグエン・タイン・ソン会長は、供給過剰と販売価格の低迷に加え、投入コストも高い現状では、家禽産業が生産規模の拡大を続けることは難しいと指摘する。

今後は、飼育頭数を増やす「量的拡大」から、1羽当たりの生産性や収益性を高める「質的成長」への転換が必要だとしている。

具体的には、遺伝育種技術、精密栄養管理、疾病予防などを活用し、1羽当たりの生産効率を高めることが求められる。

また、ひな、飼料、飼育、食肉処理、加工、流通までを含めたバリューチェーンの再編も重要となる。

大手企業が生産者と買い取り契約を結び、ひな、飼料、動物用医薬品などを一体的に供給することで、品質や生産コスト、販売先を管理しやすくなるほか、製品のトレーサビリティー向上にもつながる。

加工品の拡大と輸出市場の開拓が課題

流通段階では、中間業者への依存を減らすとともに、生鮮品中心の販売から加工度の高い製品への転換も求められている。

卵を加工することで付加価値を高められれば、農場での買い取り価格と消費者価格の差を縮小することにもつながる。

現在は、養鶏場での買い取り価格が大幅に下落している一方、伝統市場やスーパーマーケットでの肉・卵の小売価格は高止まりするケースもある。こうした価格差が消費需要の回復を妨げているとの指摘もある。

業界では今後、飼育頭数や生産量の拡大だけを目指すのではなく、生産性の向上、コスト削減、加工による付加価値向上、流通の効率化、輸出市場の開拓を組み合わせることが求められている。

また、販売される鶏卵の品質管理を強化する必要性も指摘されている。賞味期限を過ぎた卵が低所得者層や工場労働者向けに安価で販売されるケースや、輸出基準を満たさず返品された卵が国内市場に流通するケースへの監視強化も課題となっている。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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