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マーケッターの 独り言Vol.47
日本伝統、「梅」と「甘酒」の一般評価
甘すぎず辛すぎず、素材の甘さが人気?

 前号で紹介したインテージベトナムがAEON MALL Binh Tanで展開する「アジミ(AJIMI)」は、開始1ヶ月で1000人超の来店客に試飲と試食を提供した。
 試食品約30種類の内、日本の伝統的な味である「梅製品(5商品)」と「甘酒(3商品)」の詳細分析を行った結果、「梅製品」は試食回数が「甘酒」よりも高く、要因にはパッケージ、成分・原材料、味の紹介が魅力的な点が挙げられた。試食後の評価は甘みが強い商品は高く、塩辛さが強い商品は低かった。
 ベトナムでは「甘みが強いドライな干し梅」が伝統的であり、日本の「塩辛いウェットな梅干し」に慣れていないようだ。実際にネガティブコメントでは「甘すぎる」よりも「塩辛い」が目立っており、甘さや酸っぱさには寛容的でも、塩辛さの受容性は低い傾向であった。
 「甘酒」では、加糖甘酒はパッケージや味の紹介に、無加糖甘酒は成分・原材料に魅力を感じる人が多い。試食後の評価は、加糖甘酒は無加糖甘酒より「とてもおいしい」を選ぶ人が多いが、「とてもおいしくない」を選ぶ人も上回っており、加糖により「甘すぎる」ことがネガティブ評価だとコメントでもわかった。
 無加糖甘酒は「米本来の甘さ」や「適度な甘さと米の香り」で好感度が高かったが、一般的に価格が高いため、値段に対してネガティブな評価が目立った。
 ベトナム南部では甘いものが好まれるとされるが、いかにして「加糖で甘くしたもの」ではなく、ベトナム人好みの「素材本来の甘さ、適度な甘さ」が見つけられるかが重要になってくるだろう。

牧野友紀 Yuki Makino
INTAGE VIETNAMカスタマーサポート担当。ドンズー日本語学校で日本語教師兼校長秘書として4年半勤務後、現在はリサーチャーアシスタント。様々なデータを用いた分析結果と改善策を各業界のクライアントに提供している。