ベトナム社会保険局によれば、2023年1月末までの企業による社会保険の未納額は25兆9400億VND（約1467億円）に達した。これは、前年同期と比べて3兆9000億VND（約220億円）の増加となっている。
2月13日に開催された社会保険加入者促進会議において、社会保険局のグエン・テー・マイン局長は、社会保険の納付延滞利息が14兆1000億VND（約798億円）近くになったと明かした。ベトナム社会保健局では、社会保険未登録の企業や社会保険の納付が3か月以上遅れている企業の検査を強化している。故意に社会保険料の納付を回避したと判断された企業は、刑法216条の規定に基づき起訴される可能性がある。
実際、他の経費の支払いに回すために社会保険料の納付を後回しにする行為は、様々な業種の企業で頻繁に発生している。企業は、社会保険の担当者を甘く見ているが、警察官と検査官が監査に来るとすぐに保険料を納付する。多くの企業は「納付が遅れただけで故意ではありません」と説明する。社会保険料の納付が遅れた場合の罰則についても曖昧な部分が多く、実施が難しいのが現状だ。
2月上旬にベトナム労働総同盟は、政府に対して政治局と国会に企業が社会保険を納付しなかったために社会保険の適用を受けられない20万6000人以上の労働者の支援計画を提案するよう要請している。この対象者は、社会保険料約3兆5000億VNDを納付せずに倒産したり、海外へ逃亡した約3万社の企業の従業員で、社会保険料の回収はほぼ絶望的となっている。
2022年時点で全国で約1750万人が社会保険に加入しており、労働年齢人口の38%を占め、2021年から95万人以上増加している。このうち1600万人が強制社会保険加入者で、約150万人が任意社会保険加入者となっている。
このような状況下でバクニン省、ハーザン省、タイグエン省、ハイズン省、ランソン省、ライチャウ省、ソンラー省、ディエンビエン省、フートー省、ホアビン省では、強制社会保険加入者が0.1~2.5%減少している。その原因としては、多くの輸出型製造業が受注を減らし、人員整理が進められたことが考えられる。新型コロナが発生してから3年以上が経過しても市民の生活は困難な状況が続いており、社会保険加入者拡大が進んでいない。
出典：14/02/2022 VNEXPRESS
上記を参考に記事を翻訳・編集・制作
