ファン・ミン・チン首相は、ASEANフューチャーフォーラム(AFF)の開会式で、国際社会の戦略的な動向の中でASEANの未来戦略の必要性が高まっていると述べた。
「ASEANは、対話、協力、発展の基礎であり、一連の地域的な取り組みと連携の起点であると同時に、熾烈な戦略的競争の焦点でもあります」とチン首相は、ハノイで開催されているASEANフューチャーフォーラム(AFF)2024の開会式で述べた。
AFFは、ASEANと周辺地域の共通の未来形成に貢献し、地域の中心的な役割を維持し、世界情勢の変化へ適応するために必要な答えを模索することを目的として。ベトナムのイニシアチブの下で、初めて開催されたフォーラムである。
チン首相によれば、ASEANの重要性は広く認識されているものの、その力を存分に発揮できてはいない。ASEANは、世界で5番目に大きい経済圏だが、域内の経済格差は依然として大きく、協力レベルや団結力は、強固なものとは言えない。
「こうした現実を踏まえ、ASEANは包括的で戦略的なビジョンを持ち、耐久力と適応力を高め、チャンスをとらえて問題を解決し、安定的かつ持続的に発展する必要があります」とチン首相は述べている。
チン首相は、世界が大きな転換点に直面し、地域や国家間の紛争や分断が激化している中で、ASEANの未来を議論し、計画を立てることがこれまで以上に必要になっていると述べた。
新しい技術が日々生まれていることで画期的な発展の機会が増えている一方で、発展途上国や後進国が世界的な潮流から後れを取るリスクも高まっている。持続可能で包括的な成長、デジタル経済、グリーン成長、循環経済などのトレンドは、大きな圧力となっており、長期的な利益を得るためには、各国が世界規模の包括的な新しい考え方とアプローチ方法を見つけ出す必要がある。
ASEANには多くのチャンスがあるが、同時に多くの問題を抱えているという状況下で、ファン・ミン・チン首相は、ASEANの500人近い外交官、学者、業界団体及び、世界各国のパートナーや国際機関がAFFに参加していることは、ASEANの未来像を描くというベトナムの取り組みに対する高い関心と前向きな反応を示していると評価した。
チン首相は、ベトナムは常にASEANを外交、安全保障、経済政策における最重要テーマの一つであると認識していると強調した。ベトナムの発展は常にASEANと共にあり、これまでにも多くの重要な成果を達成してきた。
「ベトナムは、ASEAN加盟国及び、世界各国の友人たちと手を携え、サクセスストリーを歩み、未来を切り開き、世界と周辺地域の平和、安定、協力、発展に積極的に貢献し、人間を発展の中心に据え、誰も置き去りにしない社会を目指します」とチン首相は述べた。
ブイ・タイン・ソン外務大臣は、開会式の祝辞の中でAFF 2024は、戦略的環境の変化に直面し、加盟国同士の多様な利益のバランスをとり、ASEANの中核的な価値観の革新と維持の調和をはかり、ASEANの中心的役割を維持して地域共通の課題の解決に取り組むことを目的としていると述べた。
AFF開催構想は、2023年9月にインドネシアで開催されたASEAN首脳会議でファン・ミン・チン首相が発表したものだ。
AFF 2024のテーマは「人間を中心に据えた急速かつ安定的に発展するASEAN共同体の構築」であり、チン首相の関心と希望を反映したもので、ASEANとベトナムの発展志向と密接に関連しており、安定した経済成長を促進し、人間を中心としたコミュニティの構築となっている。
出典:2024/04/23 VNEXPRESS提供
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