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ベトナムビジネス情報Vol.173
美容とコスメの最先端!
Vietbeauty & Cosmobeauté Vietnam 2024

ベトナム最大級の美容の祭典、「Vietbeauty & Cosmobeauté Vietnam 2024」が7月25~27日、ホーチミン市7区のSECCで開催された。20以上の国と地域から約600社が出展し、2000以上のブランドが展示された。

 化粧品、スキンケア、ネイルケア、ヘアケア、メイクアップツール、サプリメント、健康食品、美容機器、OEM商品……会場となったAとB両ホールには多彩にライティングされた美容系の商品が並ぶ。

 Aホールは出展数の多い海外パビリオンが中心で、ダントツに多いのは中国。出展者リストによれば約250あり、Bホールでも小さな1コマブースで密集。次に多いのが韓国で大型から中型のブースが約120と美容大国は健在だ。その次が台湾とベトナムでどちらも50程度だった。

 若い女性が群がっていたブースが中国企業のIN TO YOU。日本で「泥リップ」と呼ばれる新感覚リップで急成長した化粧品メーカーで、そのスティックタイプは世界で合計1000万本売れたとか。.Douying(中国版TikTok)で売上を伸ばし、タイ、マレーシア、フィリピン、シンガポールに支店がある。

「ベトナムはShopee、Lazada、TikTokなどのEC販売ですが、他国と同じ商品で、中国から輸入しています」

 チークやアイシャドウなど売れ筋商品は多く、CEOと話したら、日系化粧品メーカーの進出について留まることなく質問された。

 スキンケアや化粧品の展示が多い韓国企業では、ブースデザインに高級感があったAXIS-Yに話を聞いた。スキンケアやアンチエイジングの商品が中心で、ベトナムへは進出前。これから販売したく、パートナーや代理店を探すために出展した。

「20USD程度という中価格帯はベトナムで安くも高くもなく、商機があると考えています」

 ベトナムは東南アジアで3番目程度に大きな市場で、女性はスキンケアにとても気を使う。市場の拡大が期待できると同時に開拓もできると自信を見せた。

 日本企業は小さめのブースや共同ブースでの出展が多く、広々としたブースと浴衣とで目立っていたのがコスモビューティーだ。OEMメーカーで、日本の顧客にはベトナム工場で安く製品を生産し、ベトナムの顧客には日本の工場でメイドインジャパンを生産して輸出する。

「新商品や流行の商品をここで展示して、お客様に提案できるようにしています。海外展開しているのは中国とベトナムです」

 スキンケア、ヘアケア、皮膚を保護するバリケアなど生産品は豊富で、化粧品と医薬部外品がある。海外顧客を増やすに当たり、ベトナムのコスメ市場は非常に魅力的という。

 合同ブースを2ブース出展したのがアジア美容研究所。関係する日本企業などが8社ほど集まっていた。同社には別会社のアレーズヴェルチュがあり、化粧品のOEM生産をしている。

「工場は持たず、容器は中国から香料はフランスから仕入れるなど、お客様の好みに合わせて専門の工場に発注するコーディネーターです」

 ベトナムの顧客の望む商品を日本で生産してコンテナで輸出し、ベトナムではショッピングセンターや化粧品販売店、SNSのライブでも販売する。

 日本企業からの受注もあり、その1社が今回出展したヤマモト調剤薬局。5月中旬にその美容液が完成して、日本の薬局やサロンで売り始めたばかりだ。ベトナムでの代理店を探しに来た。

「ボトルがキラキラしてベトナム人に好まれそうでしょ。日本製とわかると興味を持ってくれます」

 薬局が心療内科の前にあり、ノーメークで来院する患者さんを多く見てきた。心と健康が美を作るなら、元気になってもらうための美容液が作れないかと考えたそうだ。

 沖縄のR. Beauty Officeは日焼け止め効果の高いSPF50配合のフェイスパウダーを展示した。OEMを依頼した女性の本業はヘアメイク。沖縄の温度や湿度に負けず、日焼け止め指数が高く、美肌に見えて、ちょっとキラキラするパウダーが作りたかった。

「沖縄と気候が似ているベトナムだから出展しました。昨日(初日)は半分以上が売れてしまって、今日は販売中止にしています」

 日本では沖縄の店舗とECで販売しており、海外はこれから。現地代理店を探しているが、日焼け止め化粧品はベトナムで期待できそうだ。

 プロ用の粧剤を扱うリトル・サイエンティストは美容室向けのトリートメントを展示。日本で約1万2000件の美容室で使われているそうで、販売店を募集するために出展した。

 隣ではヘアサロンのコカブが整髪料をアピール、美容製品のセオリーはストレートパーマ用のストレート剤を美容師の実演で紹介していた。

 上記のアジア美容研究所の代表は、ベトナムのコスメ市場は拡大しているが日本製は浸透していないと語る。加えてハンドキャリーでの持込みや、訪日旅行での購入品が多く、正規貿易での流通が少ないという。

「ここの皆さんのように、日本だけじゃなく海外に出たい、ベトナムで売りたいという人は一杯います。ただ、なかなか成功できないのも事実ですね」

 合同ブースには日本企業の代理店である地場企業のDAIYAも出展していた。商品を積み上げてアピールしていたのは、近年話題のアンチエイジング効果が高いとされるNMNを使った「NMN-30000 ULTIMATE」。富裕層が購入するというがそのはずで、日本での価格で約15万円。ベトナムにはこんな事例もある。

 ベトナムで販売している商品をまとめて並べたのが愛粧堂。化粧品や健康食品など主力商品が勢揃いする中、ベトナムでの一番人気はNMNだそうだ。「100%メイドインジャパン」を売りにしている。

「現地代理店経由でビジネスをしています。日本では免税店で販売しているので、訪日観光客にはお馴染みだと思います」

 販路は販売店が広げてくれているので、ベトナムでの認知度を上げるために初めて出展した。ハノイにショールームが完成するので、この展示会の後は視察にハノイに飛ぶ。ホーチミン市でのショールーム設立も考えている。

 日本企業の代理店や総代理店となって海外販売している山西商事。近隣の東南アジア諸国に比べてベトナムはまだ販売力が弱く、拡販のために代理店候補と現地消費者の双方にアピールしていた。

 ベトナムで売れ筋の商品には健康食品やサプリメントが多く、NMNを配合した自社商品も売っていきたいという。

「日本企業の海外市場は南方に勢いがあり、ミャンマーやシンガポールなどからの発注がどんどん増えています。ベトナムもそうしたいですね」

 貿易商社のジェイアンドシーは取り扱う日本の商品を展示。食品や飲料、日用品など種類は多いが、今回は日用品に特化した。一部は既に販売しているが元々の商品数が多いため、拡大させたいと当地の代理店を探しに出展した。

「ベトナムで好調なのはハトムギの洗顔料や化粧品です。日本から仕入れたいというベトナム人が来ましたね」

 米国、香港、台湾、中国、シンガポールなどの展示会には出展しているが、ベトナムで販路を広げようとしたのも、ベトナムの展示会に出展したのも初めてだそうだ。

 ベトナムの化粧品は外資系企業のシェアが非常に高く、地場企業は苦戦していると言われる。それを跳ね返すようにカラフルなブース作りとサンプルのギフトで若い女性を集めていたのがROOTOO VIETNAMだ。

 スキンケア、ヘアケア、ボディケア、エアケア、香水、石鹸、アロマセラピーなど数多くの商品があり、天然成分70%以上など高品質を掲げて、ボトルやパッケージには高級感を出した。ブースはグリーンを基調に人工観葉植物を使って「自然派」を演出した。

 ブースのQRコードを読み取ってTikTokページやファンページをフォローすると試供品がもらえる。会場内でこうしたマーケティングをするブースがあり、どこも来場者が参加していたが、ここは特に人が多かった。話を聞くと「外れなし」で必ず何かが提供されていた。

 センスが良くて勢いのあるベトナム企業、もっともっと増えてほしい。

 来場者はやはり女性が中心。平日だったためか流行に敏感な消費者というより業界関係者が多いようだった。ブーススタッフも女性が多いため声をかけやすいようで、積極的にアピールしていた。

 日本企業に限らず出展者は、ベトナムで販売するための代理店を求める企業が多いと感じた。つまり進出あるいは本格的な進出前の企業であり、今後は本国で人気のブランドや最新素材を使うベンチャーなどの参入も見込まれる。ベトナムの美容業界は一層活性化するはずだ。