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ベトナムビジネス情報Vol114|
女性をĐẹpに ! 美容の祭典

Mekong Beauty Show & Vietbeauty 2019

ベトナム最大級となる美容の展示会、Mekong Beauty Show & Vietbeauty 2019が8月22日~24日にホーチミン市7区のSECCで開催された。21の国と地域から300社以上が集まり、合計で1万2000人以上が来場した。

販売できる代理店を探せ

 

昨年まで別々に行われていたMekong Beauty ShowとVietbeautyが今年は合同開催された。スキンケアや口紅などの化粧品、サプリメントや健康食品、ハンディタイプから全身型の美容機器までが展示され、消費者向けからエステサロンなど法人向けまで幅広い商品が揃った。

国別で目立っていたのが中国企業。小さなブースが密集した中国コーナーがいくつもあるイメージだ。韓国勢は大型ブースでの出展が多く、女性が喜びそうなブースデザインで美容大国の存在感を示す。台湾企業も小さなブースが多いが、中国と違って少しおしゃれな印象だ。そして数は多くないがシンガポール系も大型のブースで出展。

これだけなら製造業の展示会と顔ぶれは変わらないが、珍しいのはニュージーランド、オーストラリア、カナダ、ポーランド、トルコといった国からの出展。また、ベトナムの化粧品市場は9割が海外ブランドと言われており、そのためかベトナム企業は多くなかった。

日本企業の業種は様々だが、市場調査だけで出展したという企業はぼぼなく、既に現法があったり、販売を始めていたりと、ベトナムでのビジネスをリアルに考えていた。彼らの多くはベトナムの代理店や輸入業者を探しており、日本企業でなくても「Looking for distributors」などと書かれたブースがいくつかあり、ベトナムでの販路拡大を目指す外資系企業が多いとわかる。

ベトナム人のための商品開発

出展した日本企業の何社かに話を聞いた。初出展のセックスアンドビューティー株式会社は昨年設立された企業。個人客ではなくエステサロンやスパなどにクリームやフェイシャルなどの商品を卸しており、ベトナムではエステサロンなどに販売したいそうだ。タイ、中国、シンガポールなどの展示会にも出展しており、アジア展開を狙っている。

展示したのはシミやくすみを取るフェイシャル、痩身クリーム、腹筋を鍛えるEMSマシンなどで、マシンは無料体験を提供していた。

「最近はただ痩せるだけでなく、バストはアップさせてウエストは絞るなどが流行しています。それが1本のクリームでできるんです。女性の思いに国は関係なく、世界共通でしょ」

痩身クリームは500万VNDだが半額でテスト販売。使って良さを知ってもらい、代理店を増やす考えだ。EMSマシンは6割引きの約7000万VNDで販売し、評判が良くて予約が入ったという。

隣のブースでは同社の関連会社であるビューティー企画株式会社が、同じく初出展。女性スタッフが浴衣姿で来場者にフェイシャルケアをし、多くの商品が展示されていた。特にホワイトニングやアンチエイジングなどスキンケアブランドの「一華」は、ベトナム人女性の肌に合わせて開発したという。試作をし、反応を聞いて、品質を高めていった。

「ベトナム人女性は日本人と同じくらい美意識が高く、ビジネスになると思いました。肌質としては沖縄県の女性に近いですね」

ベトナムでの問屋などを探しており、これからホーチミン市に輸入販売のための会社を設立する予定だ。

綿製品メーカーとODM企業

初出展のスズラン株式会社は綿製品のメーカーだ。脱脂綿やガーゼを病院などの医療機関に納入しており、その技術を活かしてベビーケア用品、マスクなどの一般衛生用品、コスメ分野へと展開している。日本の他に中国にメインの工場を持ち、ベトナム北部のフンイエン省にも工場を新設した。

化粧品関連ではB to Bとして大手化粧品メーカーなどに綿製品を卸している他、Lily Bellブランドでコットンシートやコットンパフなどを販売しており、今回はこれら商品を展示した。

「ベトナムでは既にEC販売をしていて、好調なのですが、オフラインでも展開したいと思っています。出展の目的は一般の人に自社製品を知ってもらうことと、パートナー企業を探して販売チャネルを増やすことです」

白で統一された広いブースは開放的な作りで、バックライトを使った余裕のある商品陳列。特徴的なデザインが人目を引いていた。

株式会社ピカソ美化学研究所は、委託企業のブランドで製品を設計・生産するODMの化粧品メーカー。日本とタイに工場があり、今回は主にタイのPICASO NATURALS LABORATORYから出展した。

6~7年前にもベトナムの展示会に出展したが、その時の来場者は多くなく、反応も期待したものではなかった。しかし昨年、ベトナムと日本の展示会に参加したところ、ベトナムでもそうだが、日本でもベトナム人来場者が増えて反応が良かった。そこで今回の出展を決めたという。

「弊社はODM企業なので自社ブランドでは作っていません。ベトナムの日系、非日系外資、ベトナムの企業から仕事を請けたいと思っています。メイドインジャパン、あるいはメイドインタイランドで技術力や品質は信用されていると感じます」

基礎化粧品、ヘア・ボディ製品、メイクアップ製品などを開発しているが、タイでもベトナムでも一番人気はホワイトニングとのこと。昨年出展して商談につながり、現在ではタイからベトナムに輸出している。

これから広がるサプリの市場

tomoniロジスティクス株式会社は2回めの出展。東南アジアへの輸出代行企業で、主に日本のメーカーの卸をしている。現地代理店を探しており、前回の出展では問屋が見つかって既にビジネスを始めている。今回は前回より人が少ないが、来場者に輸入業者が多いようだと期待していた。

展示したのはグルコサミンのサプリメント、ダイエットティー、こんにゃくゼリー。グルコサミンはベトナムでも人気で知名度があり、こんにゃくゼリーはサンプルを配ったところ来場者からは美味しいと評判だそうだ。

「偶然なのですが、正面のブースが口紅などの化粧品を扱っており、モデルさんがいてテレビカメラも入っていました。その波及効果なのか人が多く来てくれています」

株式会社愛しとーとは健康食品や基礎化粧品のメーカー。日本ではコラーゲンゼリーが人気で、ベトナムには既に代理店があるという。

「ベトナムでのコラーゲンはこれからの市場。愛しとーとブランドを広げたいと思って出展しました」

展示したのは主力商品のコラーゲンゼリーを数種類と、いくつかのスキンケア商品。カラフルな商品が隙間なく並べられ、来場者が絶えなかった。

肝臓エキス、サメの軟骨、納豆菌培養エキスなどのヘルスケアサプリメントを展示していたのは日英物産株式会社。入口近くに広めのブースを作り、大きなポスターで来場者を誘っていた。出展は2回めで、中国や香港などASEANの展示会に出ており、今回は商品の認知度アップとパートナー企業として販売店を探すことが目的という。

「コラーゲンやサプリメントは今後の市場ですが、ベトナム人は信用できるサプリメント、日本のサプリメントを探しているように思えます。ベトナム企業からのアプローチがあって、販売のチャンスが広がると感じています」

株式会社ネクストは初めての出展で、美白用サプリメントと、ブレスレッドとネックレスのアクセサリーを展示。高級感のある白を基調としたブースのためか、モデルの撮影に使われていた。香港とベトナムを中心とした東南アジア展開を考えており、現地代理店を探している。

「商談が既にあり、この2日間のお客さんの反応と代理店との感触で、ベトナムで行けそうな感触を得ました」

成長する美容ビジネスに期待

展示で圧倒的に多いのはスキンケア商品だ。美白からニキビ予防などまで多彩なコスメ系、健康食品やサプリ系、美容機器などのハード系と非常に種類が多い。価格帯は商品によりかなり差はあるが、高額な美容機器以外で50~100USDは当たり前、数百ドルも普通だ。中間層でも手を出しにくい価格帯だろうが、「美への追求」となると話は違うのかもしれない。

また、従来2つの展示会の共同開催の割には来場者が少ないという声も聞いたが、ステージではダンスなどのショーがあるなど会場は華やか。いくつかのブースでのモデル撮影会も人を集めていた。

来場者はベトナム人女性が中心だが、韓国人や中国人の他、西洋人やインド系などもちらほらおり、外国人は男性のほうが多かった。女性は一般の消費者、男性はビジネスマンに分かれた格好で、ベトナムでのコスメ・美容業界への関心の高さが表れていた。