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早わかり!ベトナム法律事情 Vol.57
申請書類の遅延者を公表?
ベトナムにおける行政改革

長島・大野・常松法律事務所ホーチミン・オフィス Duong Thi Huynh Chi

―― 近年、ベトナムでは行政手続の改革が行われていると聞きますが、具体的にはどのような内容なのでしょうか。

フィンチー 不必要な手続きの廃止や手続きの簡素化をはじめとして、色々な仕組みの見直しが行われています。また、申請者が容易に行政手続きを行えるよう、提出が必要な書類、管轄機関が処理をする期限等が法令に明記されるよう、各種手続規定が改正されると同時に、行政手続きの電子化も進められています。

―― 行政手続きの電子化とは、どういうものでしょうか。

フィンチー 以前は、申請者が管轄機関を訪問し、紙面で申請書類を提出し、結果を受領していました。手続が完全に電子化されれば、申請者は管轄機関を訪問する必要がなく、申請書類の提出もオンラインで行い、結果もオンラインで通知または郵送されることになります。これらに加え、管轄機関が所定の期限内に申請書類を処理するよう、様々な方策が講じられています。

―― 具体的にはどのような方策でしょうか。

フィンチー 去年7月の年次政府会議で決定された方策の一つは、申請書類の処理を遅らせたり、賄賂を求めたり、嫌がらせを行った国家機関、部署、公務員等のリストを毎月省庁・地方等のホームページに載せるものです。

 私が知っている限りでは現在、そのようなリストを公開している省庁・地方はまだ認識していませんが、管轄機関・公務員としてはそのリストに記載されないように、申請書類を所定の期限内に処理するように務めていただけることが期待されますね。

Duong Thi Huynh Chi ユオン・ティ・フィン・チー
長島・大野・常松法律事務所ホーチミン・オフィス、パラリーガル。2018年ホーチミン市法科大学卒業。現在は法令リサーチ等弁護士の業務のサポートを行う。