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【法律】ベトナム地方行政大改革、7月から2層構造に

ベトナムの国会に出席するトー・ラム書記長
(C)THANH NIEN

ベトナム国会は6月16日、憲法および地方行政組織法の一部改正案を可決し、同日付で施行した。これにより、現行の3階層からなる地方行政組織が見直され、2025年7月1日からは全国一律で「省・中央直轄市(第1層)」と「社会単位(第2層)」の2層構造に再編されることが決まった。

郡の廃止で全国統一の2層構造体制へ

今回の憲法改正により、「郡(huyện)」に相当する行政単位は廃止され、地方行政は省・中央直轄市と、その下位にある社会単位(市、町、特別区など)によって運営されることになる。特別行政経済区については、今後も国会の決議に基づき設置される。

これまでの郡レベルで担われていた行政機能は、原則として社会単位が引き継ぐこととなり、各地方政府の再編が急ピッチで進められている。

地方政府の人事は中央による指名に

制度移行に伴い、2025年中の組織再編では、人民評議会(HĐND)および人民委員会(UBND)の主要ポストである主席、副主席、各委員長などは選挙で選ばれず、党中央、首相、または省レベルの常任機関による任命制となる。これは行政の空白や混乱を回避するための暫定措置とされている。

また、都市部など一部の地域では、正式な人民評議会が設置されるまでの間、「暫定評議会」が発足される可能性もある。

人民評議会と人民委員会の組織体制も明確化

改正法では、人民評議会の内部構成も明文化された。省レベルでは「法制度」「経済・予算」「文化・社会」の3つの常設委員会が基本とされ、都市部ではこれに「都市委員会」が追加される。少数民族が多く居住する地域では「少数民族委員会」の設置も認められる。

一方、社会単位レベルでは「経済・予算」と「文化・社会」の2つの委員会体制とされ、委員長・副委員長および委員の職務についても詳細が規定された。また、同一人物が人民委員会の専門部門と人民評議会の委員長を兼任することは禁じられている。

人民評議会議員数、人口に応じて最大125人に

人民評議会の議員数についても新たな基準が設けられた。省の人口が100万人以下であれば最大50人まで、100万人を超える場合は7万人ごとに1人ずつ追加され、最大85人までが上限となる。ハノイ市およびホーチミン市は例外的に125人の選出が認められる。社会単位レベルでは地域や人口規模に応じて15~30人の人民評議会議員が配置される。

郡から社会単位への業務移管、6月末までに完了

今回廃止される郡レベルの行政機関は、2025年6月30日までにすべての業務、資料、財政、設備、建物を新たに設置される社会単位に引き継ぐことが義務付けられている。

引き継ぎ時点で未処理の案件や、引き継ぎ後に新たに発生した課題については、所管となる新設の社会単位または上級機関が処理を担う。処理が複数の社会単位にまたがる場合や内容が複雑な場合には、省レベルの人民委員会が指揮を執ることとされた。

特例対応には柔軟な権限委任も

法整備の遅れによる問題や予期せぬ問題に対応するため、国会常務委員会、政府、首相、各省庁長官、地方議会や行政機関は必要に応じて暫定的な通達や文書を発出する権限を有する。これは円滑な行政移行を保証するための措置である。

都市行政区モデルも再編へ

これまで人民委員会のみで運営されているハノイ、ホーチミン、ダナンの行政区でも、2025年7月から人民評議会の設置が義務化され、本来の地方政府構造へと戻される予定である。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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