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ベトナムで異常気象続く “強力エルニーニョ”接近か、南部は雨季遅れ・北部は豪雨長期化

猛暑に見舞われたホーチミン市内の様子
(C)THANH NIEN

南部は猛暑、北部は豪雨被害

ベトナム各地で異常気象が続いている。北部では本来暑季に入る時期にもかかわらず豪雨や洪水が長引く一方、南部では雨季入りが遅れ、厳しい猛暑が続いている。

ホーチミン市では、5月初旬の降雨によって猛暑のピークが終わったとの見方もあったが、その後再び強い暑さが戻った。

現在、市内では朝8時の時点で気温30度前後、体感温度は32〜34度に達し、日中には37度を記録。体感では40度近い暑さとなっている。

夜間も気温は29〜30度前後を維持しており、例年なら既に雨季入りしている時期としては異例の状況である。

一方、北部では4月初旬に40〜42度の記録的猛暑が発生した後、寒気の南下と西側の低気圧が衝突した影響で、約1か月にわたり豪雨が続いている。

雷雨や竜巻、雹も頻発しており、鶏卵サイズの雹が観測された地域もある。洪水や土砂崩れ、地盤沈下のリスクも高まっている。

「異常なのは長期化」と専門家指摘

気象専門家のレ・ティ・スアン・ラン氏は、「季節の変わり目に雷雨が発生すること自体は通常だが、今回は異常に長引いている」と指摘する。

同氏によれば、4月後半以降も寒気の流入が続いており、寒気と暖気の衝突によって雷雨や竜巻、落雷、雹が繰り返し発生しているという。

寒気が弱まれば再び猛暑が戻る状況が続いており、その後はエルニーニョ現象の影響で、北部および中部で非常に厳しい暑季を迎える可能性が高いとみられている。

特に中部地域では、6〜8月のピーク時に40〜41度に達し、過去最高記録を更新する恐れもあるという。

ラン氏は、「気温が高くなるほど、激しい雷雨や竜巻、雹のリスクも高まる」と警鐘を鳴らした。

南部では“雨季のサイン”現れず

通常、南部と中部高原ではこの時期には雨季入りしているが、今年は雨季到来を示す南西モンスーンがまだ現れていない。

専門家は、こうした異常気象の背景にはエルニーニョ現象と気候変動の影響があると分析している。

ラン氏は、「近年の気候変動によって、エルニーニョ自体も従来より不規則かつ極端になっている」と説明した。

NOAA「強力エルニーニョ」予測

ラン氏によれば、アメリカ海洋大気庁(NOAA)は最新の気候予測で、5月末から6月初旬にかけてエルニーニョが発生し、2026年後半から2027年初頭にかけて強まる可能性を示した。

予測通りとなれば、今年の台風シーズンは開始が遅れる一方、終盤に集中発生する可能性があるという。

さらに年末には大型台風や「スーパー台風」に発展する恐れも指摘されている。

南部の雨季入りは約1週間後か

現在、インド洋・ベンガル湾で発生しつつある低気圧が5月14〜15日ごろに台風へ発達する見込みで、この影響により南西モンスーンが形成される可能性がある。

また、フィリピン東方海域でも低気圧性循環が発達する兆しがあり、これらが重なることで南部地域に本格的な雨季をもたらすとみられている。

予測では、カマウ半島周辺から順次雨季入りし、南部全域へ広がる見通しである。

過去のエルニーニョ年でも雨季遅延

過去20年間のデータでも、エルニーニョ発生年には南西モンスーンの開始が遅れ、終了が早まる傾向が確認されている。

その結果、年間降水量は平年を下回り、雨季中でも乾燥期間が長引きやすい。

ラン氏は、1998年には南部の雨季入りが5月末から6月前半まで遅れたほか、ホーチミン市では1993年に5月25日、カントー市では1998年に6月11日と、過去最も遅い雨季入りを記録したと紹介した。

こうした状況は、今年「スーパー・エルニーニョ」が発生する可能性を示す兆候の一つとみられている。

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