移民に「人生逆転のチャンス」を与える都市
ホーチミン市は単なる生計の場ではなく、「帰属できる場所」として多くの移民を受け入れてきた都市である。
ホーチミン市がベトナム最大の経済都市となった背景には、長年にわたり形成されてきた“開かれたDNA”がある。河川が入り組む土地から発展したこの都市は、外部から来た人々を受け入れ、共に近代的で活気ある都市を築いてきた。
移民が築き、都市に恩を返す
この都市の姿は、各地から集まった移民なしには語れない。彼らは無一文に近い状態でやって来て、努力によって生活基盤を築いてきた。
ドンタップ省出身の女性は、1990年代にホーチミン市へ移住。当初はさまざまな職を転々としたが、やがてバッグ修理店を開業した。顧客のニーズに応じて独学で技術を身につけ、小さな店舗から安定した生計を築いたという。
「ここでは努力すれば生きていける。子どもに教育を与え、家を持つこともできた」と語り、同市を人生の転機を与えてくれた場所と位置づける。
また、生活が安定した後は、困窮者を雇用したり、貧しい人々の修理を無償で引き受けたりと、地域への還元を続けている。
都市が人を“受け入れ、変えていく力”
ホーチミン市の特徴は、単に人を引き寄せるだけではない。
- 見知らぬ者同士が関係を築く
- 無資産から事業を興す
- 相互扶助の文化が形成される
といったプロセスを通じて、外部から来た人々を“定住者”へと変えていく点にある。
別の事例では、かつて所持金わずかでバス停に寝泊まりしていた女性が、現在では建設会社の経営者となり、慈善的な食堂を運営している。困窮者には無料で食事を提供し、雇用の場も生み出しているという。
国内外から人を引きつける都市
調査によれば、ホーチミン市は国内で最も「住みたい都市」とされており、ハノイやダナンを上回る評価を得ている。
さらに近年は外国人の定住も増加しており、市内中心部では多様な文化が共存している。
タオディエン地区に見る国際コミュニティ
タオディエン地区は外国人居住者が集まる代表的エリアである。
英語表記の看板、各国料理のレストラン、国際学校などが集まり、国際的な生活環境が整う。2024年時点で約1万2,000人の外国人が居住しているとされる。
長年同地に暮らす米国人医師は「ベトナム人の親しみやすさが、この街に戻る理由だ」と語る。
また、カナダ出身の住民は、教育・スポーツ・娯楽の充実に加え、外国人コミュニティのネットワークが生活を支えていると指摘する。
歴史と融合する多文化都市
一方、チョロン地区は、華人コミュニティが長年築いてきた歴史的エリアである。
数百年前から続くこのコミュニティは、経済・文化・信仰の各面で都市に深く根付き、現在ではベトナム社会の一部として不可分の存在となっている。
「開かれたDNA」が生む都市の強さ
ホーチミン市は、多様な背景を持つ人々を受け入れ、融合させることで発展してきた都市である。
移民にとってはチャンスの場であり、同時に都市に新たな活力をもたらす存在でもある。
こうした相互作用こそが、「開かれたDNA」と呼ばれる同市の本質であり、今後の成長を支える原動力となっている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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