外国人の強制退去制度を全面見直し
ベトナム政府は、外国人の強制退去に関する新たな規定を盛り込んだ政令59/2026/NĐ-CPを施行した(4月1日付)。
同政令は全6章44条で構成され、従来の政令142/2021/NĐ-CPに代わるものである。規則に違反した外国人の拘束、移送、退去手続きのほか、退去までの管理体制を包括的に規定している。
人権配慮と国際基準の強化
今回の改正は、国家の治安管理の強化だけでなく、国際的な人権基準への対応も目的とされている。
特に女性や未成年などの弱者保護を明文化し、行政手続きにおける透明性と公平性を高めた点が特徴である。
対象と強制退去の基本ルール
強制退去の対象は、ベトナム国内および排他的経済水域などで行政規律違反を犯した外国人である。
強制退去は、
- 裁判所による刑罰
- 行政処分
のいずれでも適用され、一定期間内に国外退去が義務付けられる。
12の重要ポイント
① 手続きの全面デジタル化
退去・拘束・移送の全プロセスが電子化され、処理の迅速化とデータ統合が進む。
② 女性・子どもの保護強化
ジェンダー平等と未成年の権利保護が明確化され、人道的配慮が強化された。
③ 領事アクセスの拡大
本人は自国の外交機関に直接連絡でき、退去決定の再検討を求める権利を持つ。
④ 手続きの透明化
違反現場での記録から書類作成までの流れが詳細に規定され、運用の曖昧さを排除。
⑤ 権限の明確化
出入国管理局長や省レベル公安責任者など、決定権者が具体的に明示された。
⑥ 罰金支払い不能時の即時退去
支払い能力がない場合、罰金徴収を停止し、退去を優先する措置を導入。
⑦ 退去延期の条件拡大
重病、災害、戦争、受入国の未承認などの場合、退去の延期が可能となる。
⑧ 管理手続きの簡素化
多段階の承認プロセスを廃止し、迅速な判断を可能にした。
⑨ 滞在先管理の厳格化
待機場所には違反内容などの情報提供が義務付けられ、安全管理を強化。
⑩ 弁護士へのアクセス権
拘束中でも弁護士や法律支援機関に連絡可能となった。
⑪ 生活基準の改善
食事・飲料水の基準が引き上げられ、拘束中の生活環境が改善。
⑫ 未成年の分離管理
未成年者は成人と分けて拘束することが義務化された。
当事者の権利も明確化
同政令では、強制退去対象者に対し
- 理由の説明を受ける権利
- 退去決定書の事前受領(48時間前)
- 通訳の要求
- 領事機関への連絡
などが認められている。
また、合法的財産の持ち出しや、異議申し立ての権利も保障される。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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