首脳外交で鉄道協力を最優先に位置付け
ベトナムのトー・ラム書記長兼国家主席の中国国賓訪問を受け、両国は鉄道協力を最優先分野として位置付けた。帰国時に鉄道を利用した象徴的な行動も含め、今後のベトナム・中国間鉄道連結の強化に向けた重要な転換点となった。
国際旅客列車が復活、需要も回復基調
ベトナム鉄道総公社(VNR)は2025年5月、ハノイ〜ドンダン(ランソン省)〜南寧を結ぶ国際旅客列車を再開した。新型コロナウイルスの影響で5年間停止していたが、再開後約1年で2万5,000人以上が利用し、2026年第1四半期だけでも約4,800人が乗車した。
南寧到着後は、中国の高速鉄道網を利用し、北京や広州、深センなど主要都市へ接続可能である。さらに、ザラム駅と北京西駅を結ぶ直通列車も週2便運行されている。
貨物輸送はフル稼働、越境物流の要に
長大な国境を背景に、両国間の貿易・観光は活発であり、鉄道は重要な輸送手段となっている。
貨物輸送では、ケップ駅〜ドンダン駅ルートや、カオサー駅〜ドンダン〜憑祥(中国広西チワン族自治区)を経由し、中国内陸や中央アジア、ロシア、EUへとつながる国際連運ルートがフル稼働している。
最大のボトルネックは「軌間の違い」
しかし現状ではインフラ上の制約が大きい。ベトナムの鉄道は1,000mm軌間、中国は1,435mm標準軌であるため、多くの区間で積み替えや車両交換が必要となっている。
現時点で直接接続できるのは、同じ標準軌を採用するドンダン〜憑祥区間に限られる。
ラオカイ〜ハノイ〜ハイフォン線が起点に
この課題解消に向け、2025年12月末にはラオカイ〜ハノイ〜ハイフォン鉄道の一部区間が着工した。
同路線は全長約391km、標準軌(1,435mm)・電化方式で整備され、設計最高速度は時速160kmとされる。北部経済回廊の新たな成長エンジンとして期待されている。
中越で鉄道協力文書を締結
訪中期間中、トー・ラム国家主席と習近平国家主席は、鉄道分野における2つの重要文書の署名に立ち会った。
内容は、ラオカイ〜ハノイ〜ハイフォン鉄道のフィージビリティスタディ(F/S)報告書の引き渡しと、鉄道人材育成に関する協力覚書である。
2026年着工へ向け制度整備進む
ベトナム政府は今後、同路線に関する融資協定や国境鉄道橋建設協定などの交渉を進め、国内手続きの承認を経て2026年末の着工を目指す。
同時に、ドンダン〜ハノイ線やモンカイ〜ハロン〜ハイフォン線など、標準軌による接続路線の整備も検討されている。
欧州直通ルート形成へ、戦略的意義拡大
これら3路線(ラオカイ〜ハノイ〜ハイフォン、ハノイ〜ランソン、ハイフォン〜ハロン〜モンカイ)が完成すれば、ベトナムと中国の鉄道網はシームレスに接続される。
さらに欧州方面への鉄道輸送ルート(中欧班列)との接続も可能となり、ベトナム発の国際物流の選択肢が大きく拡大する見通しである。
技術移転と産業育成にも期待
中国の先進的な鉄道技術を背景に、ベトナムでは人材育成や技術移転が進む見込みである。
政府は、鉄道産業の国内育成を通じて、将来的には部品製造や保守、さらにはグローバルサプライチェーンへの参入を目指す方針である。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN




















