ホーチミン市で導入された路線バスの無料乗車支援策が利用者増加につながっている。ホーチミン市公共交通管理センターによると、7月13日のバス利用者数は29万4,266人となり、市のバスネットワークにおける過去最多を更新した。
無料乗車制度開始後、利用者が急増
ホーチミン市では7月1日から、市の予算で運行を支援する134路線を対象に、市民の公共交通利用を促進する施策を開始した。
7月1日から13日までの累計利用者数は約352万2,000人に達しており、無料乗車制度の導入後も利用者数は増加を続けている。
特に7月13日は制度開始以来で最多となる29万4,266人が利用し、運行便数は1万7,757便、1便当たりの平均乗車人数は16.6人となった。利用者数は前日の7月12日と比べても23%増加している。
前年同期比68%増 低迷していた利用が回復
前年同日の2025年7月13日の利用者数は17万5,169人であり、今年は前年同期比68%増となった。
無料乗車制度導入前の2025年の1日平均利用者数は約17万人で推移していたが、制度開始後は日によって30~60%以上利用者が増加しており、長年低迷していた市内バス利用の回復が鮮明となっている。
利用増でも大きな混乱は発生せず
公共交通管理センターは、利用者が大幅に増加したものの、市内全体の運行は安定しているとしている。
主要バスターミナルや乗り換え拠点では深刻な混雑や長時間の滞留は確認されておらず、運行中の事故や安全上の重大なトラブルも発生していないという。
一方で、市民から寄せられた意見にも対応しており、行政相談窓口「1022」には44件の問い合わせが寄せられ、このうち8件は無料乗車制度に関するものだった。また、20番、48番、151番の各路線で報告された停留所通過の事案については、確認のうえ対応を実施した。
電子乗車券導入に向けた準備も進む
利用者の増加を受け、市当局は現場での巡回点検に加え、カメラや運行データを活用した遠隔監視も強化している。
7月13日には158便を対象に運行状況を直接確認し、運転士や乗務員の接客対応を点検したほか、市民に対して公共交通アプリ「MultiGo」の利用方法や、ICチップ付き身分証明書、VNeID、電子決済サービスの利用方法について案内を行った。
これらは今後導入予定の電子乗車券システムの本格運用に向けた準備の一環であり、ホーチミン市は公共交通のデジタル化と利用者サービスの向上を目指している。
無料乗車制度は短期間で大きな利用増加という成果を上げている。一方で、この利用者増が一時的なものに終わるのか、それともサービス改善や電子乗車券の導入を通じて定着するのかが、今後のホーチミン市の公共交通政策を占う重要なポイントとなりそうだ。



















