ベトナムでハイブリッド車(HEV)の販売が急速に拡大している。市場全体の自動車需要が回復する中、2026年上半期のハイブリッド車販売は前年同期比で5割を超える伸びを記録した。特にトヨタが市場を大きくリードしており、販売台数の約65%を占めている。
6月の販売台数は2,300台超、需要回復が追い風
ベトナム自動車工業会(VAMA)によると、2026年6月の加盟メーカーによる新車販売台数は3万1,104台となり、前月比4%増加した。
このうちハイブリッド車の販売は2,347台と前月比約29%増となり、新車販売全体の約7.5%を占めた。3月に次ぐ今年2番目の高水準となり、市場の回復基調が鮮明となっている。
2026年上半期の累計販売台数は1万865台に達し、前年同期比では約48%増加した。
燃費性能と税制優遇が普及を後押し
ベトナムでハイブリッド車への関心が高まっている背景には、優れた燃費性能や静粛性に加え、充電設備を必要としない利便性がある。
さらに、2026年から施行された特別消費税(物品税)の優遇措置により、一部ハイブリッド車の価格が引き下げられたことも販売拡大を後押しした。
メーカー各社も既存の人気車種へハイブリッド仕様を追加しており、消費者が選択しやすい環境が整いつつある。
トヨタが市場を圧倒
ブランド別では、トヨタが引き続き圧倒的な存在感を示している。
6月のハイブリッド車販売約2,300台のうち、約1,900台がトヨタ車であった。上半期累計販売は7,081台となり、市場シェアは65%を超えている。
特に販売を牽引しているのは以下の3車種である。
- Toyota Corolla Cross HEV:2,800台
- Toyota Innova Cross HEV:2,511台
- Toyota Yaris Cross HEV:1,107台
いずれもベトナム市場で人気のSUV・クロスオーバーモデルであり、燃費性能と実用性を兼ね備えたモデルとして支持を集めている。
ホンダやスズキも販売を拡大
ホンダもハイブリッド車販売を伸ばしており、2026年上半期は2,789台を販売し、前年同期比55.2%増となった。
主力モデルは「CR-V e:HEV RS」で、上半期だけで1,831台を販売している。
スズキは「XL7 Hybrid」を中心に995台を販売した。一方で、韓国メーカーや中国メーカー、欧州プレミアムブランドもハイブリッド車やプラグインハイブリッド車(PHEV)の投入を進めているが、一部メーカーは販売実績を公表していないため、市場規模はVAMA統計を上回る可能性がある。
2026年は過去最高を更新する見通し
VAMAの統計によると、2026年上半期だけでハイブリッド車販売台数は約1万900台に達し、2025年通年の販売実績(1万4,171台)に迫る勢いとなっている。
日本メーカーに加え、中国メーカーもPHEVモデルを積極投入しており、今後は選択肢の拡大と価格競争が一段と進む見通しだ。ベトナムのハイブリッド車市場は、本格的な成長局面に入りつつあると言えそうだ。



















