ホーチミン市では7月1日から134路線のバス運賃無料化が始まった。しかし、無料で利用できるにもかかわらず、乗車時にカードの読み取りや本人認証を求められることに疑問を抱く市民も少なくない。
市当局は、将来的な運行管理システム導入に向けた準備であり、利用料金を徴収するためではないと説明している。
無料化後も利用者数は大幅増
ホーチミン市公共交通管理センターによると、7月3日の運行実績は17,736便で、計画達成率は99.6%となった。
利用者数は28万2,995人に達し、1便あたり平均16.7人が利用した計算となる。
7月2日と比べると利用者数は3%増加し、無料化開始初日の7月1日と比較しても2%増加した。
さらに、前週同日(6月26日)比では37%増、2025年の同日比でも35%増となっており、無料化政策が利用促進につながっていることがうかがえる。
市の相談窓口「1022」には7月3日だけで21件の問い合わせが寄せられ、その多くが無料バスの利用方法に関する内容だった。
なぜ無料なのに本人認証が必要なのか
利用者からは、「無料なのに、なぜカードをかざしたり認証したりする必要があるのか」との質問が相次いでいる。
公共交通管理センターは、本人認証は今後導入予定の新たな運行管理システムに備えるための措置であると説明している。
制度導入は2段階で進められる。
第1段階:7月1日~9月30日
最初の3か月間は移行期間と位置付けられており、本人認証は任意である。
利用者は認証を行わなくても無料乗車の対象となる。
乗務員がカードの読み取りを案内しているのは、将来的な制度変更に備えて市民に利用方法に慣れてもらうことが目的である。
第2段階:10月1日~12月31日
10月1日以降は、無料運賃の適用を受けるために本人認証または乗車記録の登録が必須となる。
認証方法は複数用意されており、利用者は次の3つから選択できる。
- MultiGoアプリに登録した銀行カードを利用する方法
- MultiGoと連携した電子ウォレットを利用する方法
- 身分証明書カード(CCCD)またはVNeIDアプリ上のQRコードを利用する方法
目的は料金徴収ではなく利用実態の把握
運営側は、本人認証の導入は運賃徴収を目的としたものではないと強調している。
最大の狙いは、実際にどれだけの市民がバスを利用しているのかを正確に把握することである。
収集したデータは、無料化政策の効果測定や公共交通サービスの改善、今後の運行計画の策定に活用される予定だ。
ホーチミン市は公共交通利用率の向上を重要政策の一つに掲げており、今回の無料化とデジタル認証制度は、利用促進と効率的な交通運営を両立させる取り組みとして位置付けられている。



















