タイの大手食品・農業企業CPグループは、ベトナムで食品加工能力や輸出体制を強化するため、複数の大型投資を進める方針を明らかにした。AI(人工知能)の活用や高度な食品加工への投資を拡大し、ベトナムを国際市場向けの生産拠点として位置付ける考えである。
政府関係者と会談、長期投資の方針を表明
CPグループのスパキット・チャラワノン会長は7月9日から11日にかけてベトナムを訪問し、政府や国会の経済・財政委員会、農業環境省などの関係者と会談した。
同会長は、30年以上にわたりベトナム政府が事業活動を支援してきたことに謝意を示すとともに、今後も長期的な投資を継続し、農業のデジタル化やAI導入、持続可能な農業・食品産業の発展に貢献していく考えを示した。
ベトナムを輸出拠点へ
CPグループは、ベトナムを単なる販売市場ではなく、世界市場向けの輸出生産拠点へ発展させることを目標に掲げている。
同社は今後、付加価値の高い食品加工分野への投資を重点施策とし、生産能力の拡大を進める方針である。
鶏肉加工に5億USDを追加投資
グループ傘下のCPベトナムによると、鶏肉事業では輸出向け加工施設「CPV Food」が最新設備を備え、現在は週約100万羽の処理能力で稼働している。
今後は約2億USDを追加投資し、処理能力を週200万羽へ倍増させる計画である。
さらに北部フート省では、新たな鶏肉加工工場の建設に約3億USDを投資する予定だ。新工場は週100万羽の処理能力を持ち、北部地域の加工能力向上と輸出拡大に貢献するとしている。
豚肉加工施設も増強
豚肉事業では、CPベトナムは国内5か所で食肉処理施設を運営している。
今後は約1億USDを投じ、衛生管理を強化した豚肉処理チェーンを整備し、国内市場だけでなく海外市場の品質基準にも対応できる体制を構築する方針である。
同社は飼料生産から畜産、食品加工までを一体化した「Feed・Farm・Food」モデルを展開しており、種畜管理から加工、トレーサビリティーまで一貫した品質管理を行うことで、安全性と付加価値の向上を目指している。
AI導入と脱炭素も推進
CPベトナムは今後、畜産管理にAIやデータ分析を積極的に導入する。
生産データの標準化やトレーサビリティー、リスク管理の高度化を進め、生産効率と品質管理の向上を図る。
また、2050年までのカーボンニュートラル実現を目標に掲げ、再生可能エネルギーの利用拡大や省エネルギー化、資源循環の推進などを通じて、持続可能な農業・食品産業の構築を目指すとしている。



















