ベトナム水産輸出、2026年は120億USD超の可能性 制度改革が成長の鍵に
1〜4月の輸出額は15%前後増加
ベトナム水産品輸出加工協会(VASEP)によると、2026年1〜4月の水産品輸出額は約37億USDとなり、2025年同期比で14〜15%増加した。水産品輸出は厳しい市場環境に直面しながらも、回復基調を鮮明にしている。
主力品目はいずれも成長を記録しており、エビ輸出は約15億USD、パンガシウス(ナマズ)輸出は約7億3400万USDに達した。このほか、イカ・タコ、カニ類、貝類なども堅調に推移している。
高物流費と輸出規制が重荷に
一方で、VASEPは現在の成長が必ずしも安定的ではないと指摘している。
背景には、高止まりする物流コスト、激化する国際競争、輸出先国による技術的障壁の増加がある。特に米国およびEU向け輸出では、関税問題に加え、原産地追跡制度(トレーサビリティ)、IUU(違法・無報告・無規制漁業)対策などへの対応負担が大きい。
さらに、米国の海洋哺乳類保護法(MMPA)関連規制や、CoA、C/C、P/Sといった各種証明書取得手続きも企業側の負担となっている。
国内制度の課題も浮上
VASEPは、国内でも企業活動を阻害する課題が依然として多いと指摘した。
具体的には、複雑な行政手続き、高いコンプライアンスコスト、輸入原料管理の問題、再輸入品に対する付加価値税(VAT)規定の不備、検疫・食品安全制度の課題などが挙げられている。
また、工業団地における排水処理コストの高さや、水利インフラ・養殖投資に関する法整備不足も業界の重荷となっている。
制度改革進めば120億USD超も
VASEPは、制度面や原材料供給、市場問題などのボトルネックが解消されれば、2026年の水産輸出額は120億USDを超え、前年比8〜10%成長する可能性があると予測した。
目標達成に向け、政府および農業環境省に対し、行政手続き改革の加速、企業負担の軽減、リスク管理型行政への転換を要請した。
また、EU・米国向け輸出関連規制についても見直しを求め、とりわけC/C、P/S、CoAなど輸出証明書発給手続きの簡素化を提言している。
養殖インフラ投資と市場開拓を提言
さらにVASEPは、食品安全、環境、税制に関する法制度整備、信用支援、養殖・漁業インフラ投資促進、安定的な原料供給体制構築を提案した。
加えて、貿易促進活動の強化と輸出市場多角化の必要性も強調している。
同協会は、持続可能な水産業発展と国際競争力向上のためには、行政当局と企業コミュニティ間の政策対話を強化し、現場で発生する問題に迅速に対応することが不可欠だとしている。
政府が輸出促進会議を開催へ
政府は5月8日、ホーチミン市で業界団体および地方政府との重要会議を開催する予定である。
会議では、農林水産品輸出の促進策について協議し、2026年の輸出成長目標達成を目指す方針だ。




















